ゲイツヘッド発 〓 ノリントンが王立ノーザン・シンフォニアを指揮して引退コンサート、ライブ・ストリーミングも

2021/11/08

指揮者界の最長老の一人、英国のロジャー・ノリントン(Roger Norrington)が指揮活動からの引退を発表した。11月18日に王立ノーザン・シンフォニアを指揮してタクトを置くという。コンサートは彼らの本拠地ゲイツヘッドで行われ、ライブ・ストリーミングも行われる。

引退コンサートは、オール・ハイドン・プログラム。オーケストラによると、18世紀のロンドンで行われていた演奏会のスタイルの再現をめざし、オーケストラ曲からソロ、室内楽までさまざまな音楽でプログラムが構成される。

ノリントンは1934年、オックスフォード生まれの87歳。音楽一家に生まれ、10歳からヴァイオリンを演奏。長じてケンブリッジ大学に進み、クレア・カレッジで声楽を、王立音楽アカデミーで指揮をエイドリアン・ボールトから学んだ。卒業後はテノール歌手として活動した。

その後、1962年にハインリヒ・シュッツ合唱団を設立、その活動を通じて指揮者に転身した。1966年からケント・オペラの音楽監督を務め(-1984)、1978年にはロンドン・クラシカル・プレイヤーズを結成した。

手兵のロンドン・クラシカル・プレイヤーズとは、ピリオド楽器とノン・ヴィブラート奏法による演奏を展開。解散する1997年まで、古典からロマン派の作品に新しい光を当てることで古楽演奏の魁として名演奏、名録音を積み重ねてきた。

その一方、ヨーロッパを中心にさまざまなオーケストラに客演。1997年にはナイトに叙せられ、1998年にはシュトゥットガルト放送交響楽団の首席指揮者に就任。退任後の2011年からはチューリヒ室内管弦楽団の首席指揮者も務めた。

写真:Salzburger Festspiele


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