オーストリア連邦政府が21日、オーストリア放送協会ORFの経費削減計画の中で明らかにされた放送局所属のウィーン放送交響楽団(Radio-Symphonieorchester Wien)の廃止を否定する声明を発表した。連邦政府はORFに対し、オーケストラの廃止以外のことで、今後3年間で3億ユーロ(約約420億3,000万)の削減を行うよう求めている。
ウィーン放送交響楽団は1969年に設立されたオーストリア唯一の放送オーケストラ。ORFが2月に発表した経費削減計画の中で、継続できるようあらゆる手段でサポートするとしながらも、「現状ではこれまで通り資金を提供できない」とされたことで、突然その存続が危ぶまれることになった。
これにオーケストラの音楽監督を務めるマリン・オールソップ以下、音楽界が猛反発。かつて監督を務めたコルネリウス・マイスターをはじめ、ウィーン国立歌劇場のボグダン・ロシュチッチ総裁、ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団の次期首席指揮者ラハフ・シャニ、バイエルン放送交響楽団の首席指揮者サイモン・ラトル、バイエルン州立歌劇場の音楽監督ウラディーミル・ユロフスキらが相次いで存続を求める声明を発表、そこから大規模な署名運動も起ち上がり、音楽界から総スカンを喰らっていた。
写真:Radio-Sinfonieorchesters Wien
ウィーン発 〓 オーストリア政府がウィーン放送響の廃止否定の声明
2023/03/25
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