訃報 〓 ジークフリート・クルツ(92)ドイツの指揮者

2023/01/11
【最終更新日】2023/02/05

ドイツの指揮者ジークフリート・クルツ(Siegfried Kurz)が7日、故郷ドレスデンで亡くなった。92歳だった。旧東ドイツのドレスデン国立歌劇場、ベルリン国立歌劇場の音楽総監督、首席指揮者などを歴任した東ドイツのオペラ界の重鎮。作曲家としても活躍した。

1930年、ドレスデンの生まれ。ドレスデン音楽院(現在のカール・マリア・フォン・ウェーバー音楽大学)でフィデリオ・フリードリヒ・フィンケに作曲、エルンスト・ヒンツェに指揮法、エドゥアルト・ザイフェルトにトランペットを師事。在学中の1949年からドレスデン国立歌劇場の劇音楽担当の指揮者として音楽活動を始めた。

1960年からはオペラの指揮者陣に加わり、1971年から1975年まで音楽総監督(GMD)を務め、1975年から1983年にかけて芸術監督も務めた。その後、1983年から1988年にかけてベルリン国立歌劇場の首席指揮者も務めた。

カペルマイスター(楽長)タイプでレパートリーは極めて広く、数多くのオペラを指揮。また、20世紀のオペラにも強い関心を寄せ、当局との間で緊張を孕みながら、シェーンベルク《モーゼとアロン》、ウド・ツィンマーマンの《レヴィンの水車》といった作品の上演に取り組んだ。

指揮者活動のかたわら、1950年代から1970年代にかけて作曲活動にも取り組み、トランペット協奏曲をはじめ、管弦楽を中心に幅広いジャンルに作品を残している。また、1979年から母校の作曲科で教鞭も執っている。

1973年にドレスデン国立歌劇場管弦楽団(=ドレスデン・シュターツカペレ)を率いて初来日。1978年にオーケストラと再び来日し、1981年には歌劇場の引っ越し公演で《薔薇の騎士》と《魔弾の射手》を指揮した。ベルリン国立歌劇場の1987年の引っ越し公演では《後宮からの逃走》や《サロメ》を指揮している。

録音も数多く、中でも、ドレスデン国立歌劇場管弦楽団を指揮して1978年に録音されたチャイコフスキーの交響曲第5番の録音などが名盤として知られる。

写真:Sächsischen Staatstheaters


関連記事

  1. フィラデルフィア発 〓 演奏前に楽団員が同僚に“客前プロポーズ”

  2. ミラノ発 〓 スカラ座が「平和のためのコンサート」開催、ウクライナへの連帯を表明

  3. ロサンゼルス発 〓 Netflixがバーンスタインを描いた映画『Bernstein』の製作に参加

  4. インディアナポリス発 〓 準・メルクルがインディアナポリス響の音楽監督に

  5. ベルゲン発 〓 ペトレンコ、ベルゲン・フィルのコンサートを「深刻な健康問題」でキャンセル

  6. オスロ発 〓 クラウス・マケラが任期1年残してオスロ・フィルの首席指揮者を退任

  7. ベルリン発 〓 ドイツ・オーケストラ界の“冬の時代”は終了?

  8. コペンハーゲン発 〓 デンマーク放送響が創立100周年を記念して、“調香師ルイージ”の新作香水を発売

  9. ベルン発 〓 チェリストのアントニオ・メネセスが進行性の脳腫瘍と診断されたことを明らかに

  10. 訃報 〓 周文中(96)アメリカの作曲家・教育者

  11. プラハ発 〓 国立歌劇場の音楽監督にカール・ハインツ・シュテフェンス

  12. ミュンヘン発 〓 バイエルン州立オペラが2024/2025シーズンの公演ラインナップを発表、トビアス・クラッツァー演出の新しい《ニーベルングの指環》始動

  13. ロサンゼルス発 〓 ドゥダメルがロサンゼルス・フィルとの契約を延長

  14. ヴィリニュス発 〓 リトアニア国立オペラ・バレエ閉鎖へ、総監督の新型コロナ感染で

  15. ニューヨーク発 〓 ピューリッツァー賞の音楽賞にオペラ《オマール》

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。