日本音楽財団(Nippon Music Foundation)がこのほど、スペインのヴァイオリニスト、マリア・ドゥエニャス(María Dueñas)に1710年製ストラディヴァリウス「カンポセリーチェ」の貸与を始めた。ドゥエニャスに対して財団は2019年7月から、1736年製グァルネリ・デル・ジェス「ムンツ」を貸与していた。
貸与された「カンポセリーチェ」は2004年に財団が購入したもので、その名称は1884年に楽器を購入した公爵の名前にちなんだもの。ボストンに美術館を創設した慈善家のイザベラ・スチュワート・ガードナーが1894年から1925年まで所有、その後、チェコのヴァイオリニスト、ヴァーシャ・プジーホダらが所有していた。
ドゥエニャスは、スペイン・グラナダ生まれの20歳。2018年の「ウラディーミル・スピヴァコフ国際ヴァイオリン・コンクール」、2021年の「ヴィクトル・トレチャコフ国際ヴァイオリン・コンクール」、「ユーディ・メニューイン国際コンクール」で立て続けに優勝して注目を集めた。
現在、ウィーン私立音楽芸術大学に在学中で、ボリス・クシュニールに師事しながら国際的な活躍を始めており、著名なオーケストラとの共演が続いている。また昨年、老舗レーベル「ドイツ・グラモフォン」と専属契約を結んだ。
デビュー・アルバムはこの5月、マンフレート・ホーネック指揮のウィーン交響楽団と共演したベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲の録音がリリースされる予定。作曲を趣味とするドゥエニャスは、この協奏曲のためにカデンツァを書き下ろしたという。
写真:Fernando Frade Codalario
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東京発 〓 日本音楽財団がマリア・ドゥエニャスに1710年製ストラディバリウス「カンポセリーチェ」を貸与
2023/01/11
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