東京発 〓 日本音楽財団がマリア・ドゥエニャスに1710年製ストラディバリウス「カンポセリーチェ」を貸与

2023/01/11

日本音楽財団(Nippon Music Foundation)がこのほど、スペインのヴァイオリニスト、マリア・ドゥエニャス(María Dueñas)に1710年製ストラディヴァリウス「カンポセリーチェ」の貸与を始めた。ドゥエニャスに対して財団は2019年7月から、1736年製グァルネリ・デル・ジェス「ムンツ」を貸与していた。

貸与された「カンポセリーチェ」は2004年に財団が購入したもので、その名称は1884年に楽器を購入した公爵の名前にちなんだもの。ボストンに美術館を創設した慈善家のイザベラ・スチュワート・ガードナーが1894年から1925年まで所有、その後、チェコのヴァイオリニスト、ヴァーシャ・プジーホダらが所有していた。

ドゥエニャスは、スペイン・グラナダ生まれの20歳。2018年の「ウラディーミル・スピヴァコフ国際ヴァイオリン・コンクール」、2021年の「ヴィクトル・トレチャコフ国際ヴァイオリン・コンクール」、「ユーディ・メニューイン国際コンクール」で立て続けに優勝して注目を集めた。

現在、ウィーン私立音楽芸術大学に在学中で、ボリス・クシュニールに師事しながら国際的な活躍を始めており、著名なオーケストラとの共演が続いている。また昨年、老舗レーベル「ドイツ・グラモフォン」と専属契約を結んだ。

デビュー・アルバムはこの5月、マンフレート・ホーネック指揮のウィーン交響楽団と共演したベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲の録音がリリースされる予定。作曲を趣味とするドゥエニャスは、この協奏曲のためにカデンツァを書き下ろしたという。

写真:Fernando Frade Codalario


  もっと詳しく ▷


関連記事

  1. ニューヨーク発 〓 巨匠チェリビダッケの生涯が映画に、演じるのはジョン・マルコビッチ

  2. 東京発 〓 日本フィルの首席客演指揮者にシンガポール出身のカーチュン・ウォン

  3. ニューヨーク発 〓 ドローラ・ザジックが引退を表明

  4. ミュンヘン発 〓 ゲルトナープラッツ劇場のジェニファー・オローリン、ルシアン・クラスネクにバイエルン州から「宮廷歌手」の称号

  5. 東京発 〓 NHK交響楽団がパーヴォ・ヤルヴィとの契約を延長

  6. マールボロ発 〓 マールボロ音楽祭が開催を断念

  7. トロント発 〓 トランペットのコレッティが「カナディアン・ブラス」を退団

  8. バルセロナ発 〓 ルドヴィク・モルローがバルセロナ響との契約を延長

  9. ロンドン発 〓 指揮者のジャン・レイサム=ケーニックに14カ月の実刑判決、児童と性的コミュニケーションを取ろうとした3つの罪状で

  10. ウィーン発 〓 ドミンゴ、国立歌劇場で80歳を祝う

  11. 香港発 〓 ホンコン・アート・フェスティバルが中止を発表

  12. 訃報 〓 カルロ・フランチ(91)イタリアの指揮者

  13. ドルトムント発 〓 市立オペラがガブリエル・フェルツとの契約を延長

  14. 訃報 〓 ジュリアン・ブリーム(87)イギリスのギタリスト

  15. ワルシャワ発 〓 台湾政府がショパン国際ピアノ・コンクールに抗議、国名表記めぐり

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。