演出家のペーター・コンヴィチュニー(Peter Konwitschny)がまた解任された。今回の騒動の舞台は、ドイツのニュルンベルク州立劇場。新制作のヴェルディ《イル・トロヴァトーレ》を手掛けていたが、劇場の発表によれば、「リハーサル中に不適切で差別的なコメントをした」からという。
ドイツでの報道によると、コンヴィチュニーは合唱団のリハーサル中に有色の歌手に対して人種差別的な発言を行ったとされる。《イル・トロヴァトーレ》は11月13日が初日で、その直前の解任だったことから作業をアシスタントのマリー・クリスティン・リューリングが引き継ぎ、無事に初日を迎えている。
76歳のコンヴィチュニーは著名な指揮者を父に持ち、ドイツを代表する演出家の一人。モダニズム的、心理的な解釈でドイツ・オーストリア県で高く評価されてさまざまな劇場で話題作を数多く手掛けてきた。現在はライプツィヒ市立歌劇場の制作責任者を務めている。
強烈な個性を持つだけに周囲との摩擦も多く、2018年にはスウェーデンのエーテボリ歌劇場でムソルグスキー《ボリス・ゴドノフ》の新制作を手掛けていて、やはりスタッフへの発言が物議を醸し、初日を迎える前に解任されている。
次の大きな仕事は、ウィーンのフォルクスオーパーへのデビューともなる《ボリス・ゴドノフ》の新制作。初日は1月15日で、公演の指揮はヤク・ファン・ステーン、アルベルト・ペセンドルファーが主役ボリス・ゴドノフを演じる。
写真:Mupa Budapest
ニュルンベルク発 〓 演出家のペーター・コンヴィチュニー、初日前にまた解任される
2021/11/18
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