ロンドン発 〓 ヤクブ・フルシャ、ロイヤル・オペラ・ハウスの音楽監督に

2022/10/18
【最終更新日】2022/10/19

英国のロイヤル・オペラ・ハウス(Royal Opera House)が次期音楽監督にチェコの指揮者ヤクブ・フルシャ(Jakub Hrůša)を迎えると発表した。2002年からその任にあり、2023/2024シーズンをもって退任するアントニオ・パッパーノの後任。今シーズンから音楽監督代理に就任し、2025/2026シーズンから第7代音楽監督としての任期をスタートさせる。

フルシャは1981年、チェコ・ブルノ生まれの41歳。プラハ音楽院でイルジー・ビエロフラーヴェク、ラドミル・エリシュカらに指揮を学び、2008年からビエロフラーヴェクの後を継いでプラハ・フィルハーモニアの音楽監督兼首席指揮者に就任。2010年には音楽祭「プラハの春」のオープニング・コンサートの指揮者を最年少で務めた。

その後、2016年にはドイツのバンベルグ交響楽団の首席指揮者に就任。契約延長を重ね、任期は2026年まである。加えて、チェコ・フィルハーモニー管弦楽団とイタリアの国立サンタ・チェチーリア音楽院管弦楽団の首席客演指揮者を兼務。また、日本では、2010年から2017年にかけて、東京都交響楽団の首席客演指揮者も務めている。

ロイヤル・オペラ・ハウスでは過去、ビゼー《カルメン》、ワーグナー《ローエングリン》を指揮しており、今後はプッチーニ、プロコフィエフ、ブリテン、ヤナーチェクの作品を指揮する予定。また、2027/2028シーズンには、バリー・コスキーの演出で新制作されるワーグナー《ニーベルングの指環》の指揮を任されている。

一方、退任するパッパーノは在任22年となり、歴代最長の在任となる。2024/2025シーズンからは、サイモン・ラトルの後任としてロンドン交響楽団の首席指揮者に就任することが決まっている。音楽監督が空席となる2024/2025シーズンは、フルシャとパッパーノが特別客演指揮者としてその職務を分担するという。

写真:Dvořákova Praha / Česká filharmonie


  もっと詳しく ▷


関連記事

  1. バイロイト発 〓 ジョン・ルンドグレンが《さまよえるオランダ人》からも降板、バイロイト音楽祭の出演をすべてキャンセル

  2. パリ発 〓 終わらない国立オペラのストライキ、新制作の《マノン》の上演も断念

  3. 訃報 〓 ウィリアム・ベネット(85)英国のフルート奏者

  4. ライプツィヒ発 〓 ブロムシュテットがドイツ連邦共和国功労勲章の星付き大功労十字章を受章

  5. サンタフェ発 〓 サンタフェ・オペラが開催中止を発表

  6. ロッテルダム発 〓 ロッテルダム・フィルも声明を発表、ラハフ・シャニ率いるミュンヘン・フィル排除のフランダース音楽祭に

  7. アムステルダム発 〓 オランダ放送フィルが首席指揮者のカリーナ・カネラキスとの契約を延長

  8. ボゴタ発 〓 コロンビア大統領が劇場閉鎖などは6月からさらに18か月間必要と発言

  9. サンフランシスコ発 〓 サンフランシスコ・オペラが2月のストリーミング・スケジュールを発表

  10. ベルリン発 〓 クリストフ・エッシェンバッハがベルリン・コンツェルトハウス管弦楽団との契約を延長

  11. 訃報 〓 ガリーナ・ピサレンコ(88)ロシアのソプラノ歌手

  12. デトロイト発 〓 デトロイト響が音楽監督のヤデル・ビニャミーニとの契約を延長

  13. バーミンガム発 〓 市響が首席指揮者の山田和樹との契約を延長、首席客演指揮者にイラン・ヴォルコフ

  14. ナンテール発 〓 名曲《ボレロ》の著作権をめぐる訴訟で、保護期間の延長を求める承継者らの訴えを裁判所が棄却

  15. ウィーン発 〓 ソプラノのニーナ・シュテンメが国立歌劇場の名誉会員に

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。