ウィーン国立歌劇場の音楽監督を務めるフィリップ・ジョルダン(Philippe Jordan)がオーストリアの日刊紙「クーリエ」のインタビューに応え、任期が切れる2025年で退任することを明らかにした。その中で、ボグダン・ロシュチッチ率いる劇場の経営陣への失望、招聘する指揮者をめぐって明らかに意見の相違があったことをほのめかしている。
ヨルダンはチューリッヒ生まれの47歳。指揮者のアルミン・ジョルダンを父に持ち、パリ国立オペラの音楽監督(2009-2021)、ウィーン交響楽団の首席指揮者(2014 -2020)を経て、2020/2021シーズンからフランツ・ヴェルザー=メストの後任としてウィーン国立歌劇場の音楽監督に就任した。
インタビューではまた、オペラ界について「異常な方向に傾いている」と危機感を募らせ、「演出に関して言えば、我々の劇場は長い間、致命的に間違った道を歩んできたと思う。芸術監督、ドラマツルグ、そして特に演出家が、演劇と音楽の相互作用に本当に関心を持っているという感じがしないのです」と述べている。
これを受けてロシュチッチも「ジョルダンと私は、2025年以降の劇場の運営計画について、夏に徹底的に話し合いました。彼は2030年までの契約の延長を望んでおり、私は他の理由でそれができなかった。したがって、私は彼の発言についてこれ以上コメントしたくありません。それは国立歌劇場の利益にも、ジョルダンの利益にもならない」と地元メディアに述べている。
写真:Opéra national de Paris
ウィーン発 〓 フィリップ・ジョルダン、国立歌劇場の音楽監督退任へ
2022/10/03
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