ウィーン発 〓 フィリップ・ジョルダン、国立歌劇場の音楽監督退任へ

2022/10/03

ウィーン国立歌劇場の音楽監督を務めるフィリップ・ジョルダン(Philippe Jordan)がオーストリアの日刊紙「クーリエ」のインタビューに応え、任期が切れる2025年で退任することを明らかにした。その中で、ボグダン・ロシュチッチ率いる劇場の経営陣への失望、招聘する指揮者をめぐって明らかに意見の相違があったことをほのめかしている。

ヨルダンはチューリッヒ生まれの47歳。指揮者のアルミン・ジョルダンを父に持ち、パリ国立オペラの音楽監督(2009-2021)、ウィーン交響楽団の首席指揮者(2014 -2020)を経て、2020/2021シーズンからフランツ・ヴェルザー=メストの後任としてウィーン国立歌劇場の音楽監督に就任した。

インタビューではまた、オペラ界について「異常な方向に傾いている」と危機感を募らせ、「演出に関して言えば、我々の劇場は長い間、致命的に間違った道を歩んできたと思う。芸術監督、ドラマツルグ、そして特に演出家が、演劇と音楽の相互作用に本当に関心を持っているという感じがしないのです」と述べている。

これを受けてロシュチッチも「ジョルダンと私は、2025年以降の劇場の運営計画について、夏に徹底的に話し合いました。彼は2030年までの契約の延長を望んでおり、私は他の理由でそれができなかった。したがって、私は彼の発言についてこれ以上コメントしたくありません。それは国立歌劇場の利益にも、ジョルダンの利益にもならない」と地元メディアに述べている。

写真:Opéra national de Paris


関連記事

  1. ミラノ発 〓 スカラ座が2021/2022シーズンの公演ラインナップを発表

  2. ウィーン発 〓 国立歌劇場がスター歌手が着用した舞台衣装をネット・オークションに

  3. ニューヨーク発 〓 テノールのステファン・グールドが健康上の理由で引退を表明

  4. ウィーン発 〓 オーストリアもロックダウン

  5. ジュネーブ発 〓 ジュネーブ国際コンクールのフルート部門はエストニア出身のエリザヴェータ・イヴァノヴァが優勝

  6. エバンストン発 〓 2019年の「ゲオルグ・ショルティ指揮者アワード」はヤニブ・ディヌールに

  7. ヘルシンキ発 〓 ヘルシンキ・フィルの次期首席指揮者にユッカ=ペッカ・サラステ

  8. モスクワ発 〓 ロシアのヴォロージン下院議長がウクライナ侵略の停止をプーチン大統領に求めた文化人たちを批判

  9. ボストン発 〓 フェニックス管弦楽団の次期音楽監督にジョシュア・ワイラースタイン

  10. ジュネーブ発 〓 スイス・ロマンド管弦楽団がジョナサン・ノットとの契約を延長、任期に期限なし

  11. ロンドン発 〓 モンテヴェルディ合唱団・管弦楽団の理事会が創設者のジョン・エリオット・ガーディナーの解任を発表

  12. トゥール発 〓 サントル=ヴァル・ド・ロワール交響楽団の首席客演指揮者にベネズエラの女流指揮者グラス・マルカーノ

  13. ハノーファー発 〓 北ドイツ放送フィルの次期首席指揮者にスタニスラフ・コチャノフスキー

  14. ウィーン発 〓 アン・デア・ウィーン劇場が2021/2022シーズンの公演ラインナップを発表

  15. シュヴェリーン発 〓 メクレンブルク州立劇場、コーミッシェ・オーパーもシーズン終了

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。