ローマ発 〓 ローマ歌劇場が2022/2023シーズンの公演ラインナップを発表

2022/07/24

ローマ歌劇場(Teatro dell’Opera di Roma)が2022/2023シーズンの公演ラインナップを発表した。新シーズンに上演されるオペラは、新制作、再演含めて以下の9作品。新シーズンから音楽監督に就任するミケーレ・マリオッティはうち4作品を指揮する。ローマ歌劇場は例年、本拠地のコスタンツィ劇場で1880年に初めてオペラ上演が行われたことを記念した11月27日にシーズンの幕を開ける。

新シーズンの開幕を飾るのは、新制作のプーランク《カルメル派修道女の対話》。演出を手掛けるのはエマ・ダンテで、指揮はマリオッティ。コリーヌ・ウィンターズ、アンナ・カテリーナ・アントナッチ、エカテリーナ・グバノヴァ、ジャン=フランソワ・ラポワント他が出演する。

ロンドンのロイヤル・オペラとのコラボレーションによるヤナーチェク・チクルスは2シーズン目に入る。昨シーズンの《カーチャ・カバノヴァー》に続いて、《死者の家から》が登場する。ローマ歌劇場での上演は今回が初めて、という。演出はクリストフ・ ワリコフスキで、彼の演出作品の上演もイタリア初。

今回の発表では珍しく、開幕公演が3シーズン先まで明らかにされた。2023/2024シーズンはサイモン・ストーン演出のボーイト《メフィストフェレ》、2024/2025シーズンはリチャード・ジョーンズ演出のヴェルディ《シモン・ボッカネグラ》、2025/2026シーズンはダミアーノ・ミケレット演出のワーグナー《ローエングリン》で、指揮はいずれもマリオッティ。

また、長期プランとしては、新シーズンからプッチーニの《外套》3部作を1作品ずつ3シーズンにわたって上演する新しいシリーズがスタートする。1作品ごとに同時代の作品との組み合わせで上演という試みで、1年目は《外套》とバルトーク《青ひげ公の城》の組み合わせ。2年目は《修道女アンジェリカ》とダッラピッコラの《囚われ人》、3年目は《ジャンニ・スキッキ》とラヴェルの《スペインの時》。


11月27日 → 
プーランク《カルメル派修道女の対話》=新制作
[演出]エマ・ダンテ
[指揮]ミケーレ・マリオッティ
[出演]コリーヌ・ウィンターズ / アンナ・カテリーナ・アントナッチ / エワ・ヴェシン / エカテリーナ・グバノヴァ / ジャン=フランソワ・ラポワント

1月11日 → 
ドニゼッティ《愛の妙薬》=再演
[演出]ルッジェーロ・カプッチョ
[指揮]フランチェスコ・ランツィロッタ
[出演]ジョン・オズボーン / アレクサンドラ・クルザク

1月31日 →
ヴェルディ《アイーダ》= 新制作
[演出]ダヴィデ・リヴァモア
[指揮]ミケーレ・マリオッティ
[出演]クラッシミラ・ストヤノヴァ / ファビオ・サルトーリ / エカテリーナ・セメンチュク / ウラディーミル・ストヤノフ / リッカルド・ザネッラート

3月12日 →
レオンカヴァッロ《道化師》=再演
[演出]フランコ・ゼフィレッリ
[指揮]ダニエル・オーレン
[出演]ニーノ・マチャイゼ / ブライアン・ジャッジ

3月31日・4月1日
アルヴォ・ペルト《アダムの受難》=新制作
[演出]ロバート・ウィルソン
[指揮]トヌ・カリュステ
[出演]ルシンダ・チャイルズ

4月6日 → 
プッチーニ《外套》= 新制作
バルトーク《青ひげ公の城》= 新制作
[演出]ヨハネス・エラス
[指揮]ミケーレ・マリオッティ
[出演]ルカ・サルシ / グレゴリー・クンデ / マリア・アグレスタ /// エカテリーナ・セメンチュク / ミハイル・ペトレンコ

5月23日 →
ヤナーチェク《死者の家から》= 新制作
[演出]クリストフ・ ワリコフスキ
[指揮]ドミトリー・マトヴィエンコ
[出演]未発表

6月16日 →
プッチーニ《蝶々夫人》=再演
[演出]アレックス・オレ(ラ・フラ・デルス・バウス)
[指揮]ロベルト・アバド
[出演]エレオノーラ・ブラット / ドミトリー・ポポフ / アンナ・マリア・キウリ / ロベルト・フロンターリ

10月13日 →
ヘンデル《ジュリアス・シーザー》= 新制作
[演出]ダミアーノ・ミケレット
[指揮]ジャンルカ・カプアーノ
[出演]ラファエレ・ぺ / カルロ・ヴィストーリ / アーリエ・ヌスバウム・コーエン / ダニエル・ドゥ・ニース

写真:Teatro dell’Opera di Roma


    もっと詳しく ▷


関連記事

  1. ウィーン発 〓 バレンボイムが体調崩してウィーン・フィルのコンサートをキャンセル、指揮の代役はコンサート・マスターのフォルクハルト・シュトイデ

  2. ニューヨーク発 〓 ニューヨーク・フィルが2020/2021シーズンをキャンセル、178年で初

  3. ベルリン発 〓 ベルリン・ドイツ・オペラが新制作の《フランチェスカ・ダ・リミニ》をライブ・ストリーミング

  4. モントリオール発 〓 モントリオール交響楽団がケント・ナガノに名誉指揮者の称号

  5. グロッセート発 〓 第1回「セルゲイ・クーセヴィツキー国際指揮者コンクール」で出口大地が最高位

  6. ウィーン発 〓 国立歌劇場がファッション・ショーとクラブ・パーティー

  7. ヴェルビエ発 〓 音楽祭が緊急救援基金起ち上げ、コロナ禍で苦境のフリー・アーティストに支援金

  8. ロサンゼルス発 〓 ロサンゼルス・オペラが早くも2024/2025シーズンの公演ラインナップを発表

  9. ロンドン発 〓 ロイヤル・オペラ・ハウスが夏のボリショイ劇場バレエ団ロンドン公演をキャンセル

  10. チューリッヒ発 〓 チューリッヒ歌劇場が新製作の《サロメ》をライブ・ストリーミング

  11. ボストン発 〓 ボストン響が給与カットと一時休職で合意、タングルウッド音楽祭に希望繋ぐ

  12. ニュルンベルク発 〓 ニュルンベルク響の次期首席指揮者にジョナサン・ダーリントン

  13. ヘルシンキ発 〓 ミリアム・ヘリン国際声楽コンクールが閉幕

  14. ウィーン発 〓 ウィーン国立歌劇場管のコンサートマスターにフョードル・ルディン

  15. ゲーラ発 〓 アンテンブルク・ゲーラ市立劇場の音楽総監督にルーベン・ガザリアン

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。