ニューヨークを拠点とする人権団体「ヒューマン・ライツ財団=Human Rights Foundation」が8月2日、指揮者のグスターボ・ドゥダメル(Gustavo Dudamel)に対して抗議行動を行った。ドゥダメルはこの日、カーネギーホールで行われたベネズエラ国立児童交響楽団のコンサートを指揮したが、これが母国ベネズエラのマドゥロ大統領を庇護する行動と批判されている。
批判の背景にあるのは、7月28日に行われた大統領選挙をめぐるベネズエラ国内での対立。マドゥロ大統領は3選をめざしたが、事前の世論調査で野党統一候補がリードする中、大統領側近がトップを務める選挙管理委員会が開票率80%時点で得票率51.2%と44.02%で、マドゥロ当選と発表したことで、野党が大反発。票集計に大規模不正があったと、いまも抗議活動が続いている。また、7月31日にはペルー政府が野党統一候補を次期大統領と認め、ベネズエラが断交に踏み切る騒動も起きている。
ドゥダメルは選挙結果について沈黙を守っているが、母国の音楽界でも、ピアニストのガブリエラ・モンテーロが今回のコンサートについて「私たちの国を破壊し、また選挙を盗もうとしている政権が、ドゥダメルの指揮の下、最も効果的なプロパガンダ・マシンである子どもたちをアメリカの最も輝かしいホールに送り込もうとしている」と批判している。
写真:Human Rights Foundation
ニューヨーク発 〓 人権団体がベネズエラ大統領選めぐり、ドゥダメルに対して抗議行動
2024/08/05
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