ベルリン発 〓 ベルリン・フィルが「ヨーロッパ・コンサート」の開催地を変更、ウクライナのオデーサからラトビアのリエパーヤへ

2022/04/04
【最終更新日】2022/04/06

ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団(Berliner Philharmoniker)が今年の「ヨーロッパ・コンサート」の開催地を変更すると発表した。当初はウクライナのオデーサで行われる予定だった。ロシアのウクライナ侵略で開催できないため、会場がラトビア西部バルト海沿岸の都市リエパーヤの「グレート・アンバー・コンサートホール」に変更される。

ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の「ヨーロッパ・コンサート」は1991年、ヘルベルト・フォン・カラヤンの後、首席指揮者・芸術監督に就任したクラウディオ・アバドのアイデアで創設されたもの。楽団の創設記念日である5月1日に毎年、ヨーロッパ各地のホールや歴史的建造物で行われてきた。

会場変更だけでなく、プログラムも変更。ウクライナの作曲家ヴァレンティン・シルヴェストロフによる《弦楽オーケストラのためのエレジー》、ラトビアのペテリス・ヴァスクスによる《ムジカ・ドローローサ》、シベリウスの《フィンランディア》を取り上げ、ウクライナへの連帯を示したいという。

また、コンサートにはウクライナ同様、旧・ソ連かの独立を果たしたラトビア出身のメゾ・ソプラノ、エリーナ・ガランチャも出演。ベリオが作曲したメゾ・ソプラノとオーケストラのための《民謡》を歌う。コンサートの指挥は首席指揮者のキリル・ペトレンコ。

ガランチャは2月24日にロシアのウクライナ侵略が始まった直後の28日、自身のFacebookへの投稿で侵略を激しく非難、ロシアでは今後出演しないことを明らかにして、いち早くロシアへの抗議の声を上げたアーティストの一人。

…… ガランチャの投稿

親愛なる皆様へ
先週の木曜日、ウクライナへの攻撃の初日に、私は今後ロシアでのコンサートから完全に撤退したことをお知らせします。
民主的で独立した国家であるウクライナ、そしてヨーロッパの開かれた社会全体に対してロシア政権が行った犯罪的戦争に照らして、私の名前をその国のイベントに関連づけることは無責任であり、非常に不道徳であると思います。
私は、たとえプーチンとその政権を支持する人々が、オープンで正直な声明を出せないという罠にはまったとしても、支持することはできない。
ラトビア人である私は、侵略と占領が何であるかを知り、母親である私は、子供たちに道徳の意味を教え、私はウクライナの自由と独立のために声を上げて立ち上がるのです。戦争は解決策ではありません。
歴史が示すように、私たちはどの政治指導者のイデオロギーに従うかを選択することができますし、そうすべきです。
ウクライナとウクライナの仲間たちのために、私は心を痛めています!
ウクライナでの戦争にNO!

写真:Great Amber-Konzerthalle / Karlis Volkovskis


関連記事

  1. シンガポール発 〓 シンガポール響がインターネットで支援の訴え

  2. ミュンヘン発 〓 テノール歌手のダニエル・プロハスカにバイエルン州から「宮廷歌手」の称号

  3. キーウ発 〓 ウクライナの制裁リストにアンナ・ネトレプコ

  4. ベルリン発 〓 ベルリン・フィルが新シーズンの公演ラインナップを発表

  5. ミュンヘン発 〓 バイエルン州立オペラが新制作の《ジュディッタ》をストリーミング配信

  6. ロンドン発 〓 グラインドボーン音楽祭も開催断念、ストリーミング配信をスタート

  7. パリ発 〓 ドゥダメル、2022/2023シーズンでパリ国立オペラの音楽監督を辞任

  8. ケルン発 〓 ケルンWDR響の次期首席指揮者にフランスの女流指揮者マリー・ジャコー

  9. 訃報 〓 アンネローゼ・シュミット(85)ドイツのピアニスト

  10. ウィーン発 〓 国立歌劇場が《アドリアーナ・ルクヴルール》の公演をストリーミング配信

  11. 浜松発 〓 国際ピアノアカデミー、4年ぶりに再開

  12. ベルリン発 〓 指揮者のダニエル・バレンボイムが脊椎手術、2月いっぱい休養

  13. 訃報 〓 レイモンド・レッパード(92)英国の指揮者

  14. トリノ発 〓 テアトロ・レッジョの大規模改修工事スタート、2022年9月まで閉館

  15. 訃報 〓 ゲンナジー・ロジェストヴェンスキー(87)ロシアの指揮者

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。