訃報 〓 ミハイル・ユロフスキ(76)ロシアの指揮者

2022/03/23
【最終更新日】2023/02/06

ロシアの指揮者でドイツを拠点に国際的に活躍したミハイル・ユロフスキ(Michail Jurowski)が19日、ベルリンの病院で多臓器不全で亡くなった。76歳だった。作曲家ウラディーミル・ユロフスキーの息子で、二人の息子ウラディーミルとドミートリイは指揮者で、娘のマリアはピアニスト。

1945年、モスクワ生まれ。モスクワ音楽院で指揮と音楽学を学び、スタニスラフスキー&ダンチェンコ音楽劇場とボリショイ劇場で活動をスタート。1978年からベルリンのコーミッシェ・オーパーの、1989年からはドレスデン国立歌劇場(現在のザクセン州立歌劇場)の指揮者陣に加わった。

その後、東欧民主化後が実現。その混乱で旧ソ連内で反ユダヤ主義が台頭したこともあり、1990年には統一後のドイツに移住した。ドイツでロストック国民劇場の音楽総監督、ライプツィヒ市立歌劇場の首席指揮者、ケルンのWDR放送交響楽団の指揮者などを歴任した。

作曲家のショスタコーヴィチとも交友があり、1981年にポーランドの作曲家クシシュトフ・メイエルが未完に終わっていたオペラ《賭博師》を完成させたことを受け、1995年にボリショイ劇場の歌手陣を招き、ロストック国民劇場のピットに入る北ドイツ・フィルハーモニー管弦楽団を指揮して世界発録音を行っている。

写真:Staatskapelle Dresden / Matthias Creutziger


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