ミラノ発 〓 ミラノ市長がスカラ座にゲルギエフの解任を要求、ロシアのウクライナ進攻で

2022/02/25

ミラノのジュゼッペ・サーラ(Beppe Sala)市長がロシアのウクライナ進攻をめぐり、非難する声明をすぐに出さない限り、スカラ座にロシアの指揮者ヴァレリー・ゲルギエフを解任するよう命じたと、イタリアのメディアが報じている。ゲルギエフは23日に初日を迎えた新制作の《スペードの女王》の公演の指揮者に起用されている。

市長は有力紙「コリエーレ・デラ・セラ」に対して、「(スカラ座の)ドミニク・マイヤー総裁とともに、この侵略に対して正確な立場を取るように彼に求めています。 彼がそれを行わない場合、私たちはコラボレーションを終了することを余儀なくされます」と延べており、劇場側も同意しているという。

新制作の《スペードの女王》はリーザにアスミク・グリゴリアン、ポリーナにエレーナ・マクシモワ、エレツキー公爵にアレクセイ・マルコフ、ゲルマンにナジミディン・マヴリャーノフ、伯爵夫人にユリア・ゲルセワを起用。マティウス・ハルトマンが演出を手掛けている。

ゲルギエフはロシアの文化人の中で、ウクライナ進攻に踏み切ったプーチン大統領と最も親密な関係にある一人。初日の公演の後、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団のニューヨーク公演を指揮してミラノに戻る予定だったが、公演の主催者であるカーネギーホールとオーケストラは彼の“降板”を既に決めている

写真:Orchestra Giovanile Luigi Cherubini / Zani Casadio


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