サンクト=ペテルブルク発 〓 ユーリ・テミルカーノフがサンクト=ペテルブルク・フィルハーモニー管弦楽団の音楽監督を辞任

2022/02/02
【最終更新日】2022/02/06

ロシアの指揮者ユーリ・テミルカーノフ(Yuri Temirkanov)が1月31日付けで、サンクト=ペテルブルク・フィルハーモニー管弦楽団の音楽監督兼首席指揮者を辞任した。テミルカーノフは1988年以来、前任者のエフゲニー・ムラヴィンスキーの後を受け、30年の長きにわたってオーケストラを率いてきた。

サンクト=ペテルブルク・フィルハーモニー管弦楽団は、ソ連時代はレニングラード・フィルハーモニー管弦楽団と呼ばれていた名門。1882年にロマノフ王朝時代の宮廷管弦楽団として設立され、戦前の1938年から巨匠指揮者ムラヴィンスキーに鍛えられ、ソ連最高峰のオーケストラとしてその名を轟かせた。

テミルカーノフは1938年、カバルダ・バルカル共和国(大カフカス山脈の北側にあるロシア南東部の共和国でジョージアと国境を接する)首都ナリチク生まれの83歳。ヴァイオリンとビオラを学んだ後、レニングラード音楽院で名伯楽イリヤ・ムーシンに指揮を学び、1965年にサンクト=ペテルブルクのミハイロフスキー劇場でオペラ《椿姫》を振って指揮者デビューした。

以後、1968から1976年にレニングラード交響楽団 (現在のサンクト=ペテルブルク交響楽団)の首席指揮者、1977年からムラヴィンスキーの後を受けるまでキーロフ劇場(現在のマリインスキー劇場)の芸術監督・首席指揮者を務めた。

また、1992年に英国のロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団の首席指揮者に就任、1998年からは桂冠指揮者。その後、1998年から2006年までボルティモア交響楽団の音楽監督を務めた。現在は英国在住で、ソ連時代に「人民芸術家」に叙せられ、ロシア時代になってからも受賞多数。

後任は2000年から副芸術監督を務めている65歳のニコライ・アレクセーエフ。レニングラード音楽院で合唱指揮をアベニール・ミハイロフ、指揮をマリス・ヤンソンスに学び、1982年のヘルベルト・フォン・カラヤン指揮者コンクール、1985年のヴァーツラフ・ターリヒ指揮者コンクールなどで入賞している。

2000年からサンクト=ペテルブルグ・フィルハーモニー管弦楽団の指揮者に加わり、2001年から2010年にかけてエストニア国立交響楽団の首席指揮者を務めて評価を確立した。また、“お隣”のサンクト=ペテルブルグ交響楽団では2018/2019シーズンからシーズンの開幕と閉幕のコンサートの指揮を任されている。

写真:IMG


関連記事

  1. 訃報 〓 テオ・アダム(92)ドイツのバス・バリトン歌手

  2. バルセロナ発 〓 リセウ大劇場が新シーズンから有料のデジタル・プラットフォームを起ち上げ

  3. ケルン発 〓 ケルン放送管の首席指揮者にフランク・ストローベル

  4. モスクワ発 〓 ロシアも連邦機関、博物館、劇場を閉鎖

  5. ロンドン発 〓 オペラ・フェスティバル「ガーシントン・オペラ」が2021年上演の《薔薇の騎士》をストリーミング配信

  6. ドレスデン発 〓 ザクセン州立オペラが宮本亞門新演出の《蝶々夫人》の上演を順延、スタッフに新型コロナの感染者出て

  7. プラハ発 〓 プラハ交響楽団の次期首席指揮者にトマーシュ・ネトピル

  8. ロンドン発 〓 ティルソン・トーマスがマーラーの交響曲第3番で、終楽章の演奏前に舞台を降りようとするハプニング

  9. 東京発 〓 新日本フィルが新シーズン、2023/2024シーズンの定期演奏会ラインナップを発表

  10. ブリスベン発 〓 クイーンズランド交響楽団の次期首席指揮者にヨハネス・フリッチュ

  11. ウィーン発 〓 作曲家ジョン・ウィリアムズがついにウィーン・フィルを指揮

  12. チューリッヒ発 〓 チューリッヒ歌劇場の次期芸術総監督にベルリン州立オペラのマティアス・シュルツ

  13. 青島発 〓 メニューイン音楽学校が青島に中国校

  14. カッセル発 〓 州立劇場の音楽総監督にラトビアの指揮者アイナルス・ルビキス

  15. ベルリン発 〓 カウンターテナーのヨッヘン・コヴァルスキが引退

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。