訃報 〓 ガブリエル・バキエ(95)フランスのバリトン歌手

2020/05/14
【最終更新日】2023/02/16

フランスの名バリトン歌手ガブリエル・バキエ(Gabriel Bacquier)が亡くなった。95歳だった。17日には96歳の誕生日を迎える予定だった。死因は明らかにされていない。

パリ・オペラ座の三大バリトンと呼ばれた歌手の一人で、オペラ界屈指の演技派歌手として知られ、深みのある声と相まって、多くのオペラ・ファンを魅了した。

フランス南西部ベジエ生まれ。モンペリエで声楽を学んだ後、パリ高等音楽院に入学。1953年にブリュッセルのモネ劇場のメンバーとなり、その後、1956年にオペラ・コミック、1960年にエクス=アン=プロヴァンス音楽祭、1962年にパリ・オペラ座と、フランス国内で活躍の場を広げた。

続いて、ウィーン国立歌劇場、ミラノ・スカラ座、ロイヤル・オペラといった世界的な歌劇場に相次いでデビュー。その後、米国にも活躍の場を広げ、ニューヨークのメトロポリタン歌劇場には18シーズン連続で出演を重ねた。

表情豊かな歌い回しでコミカルな役からシリアスな役、悪役まで演じ、多彩なレパートリーを誇る。彼によって新たな命を吹き込まれたキャラクターも多いといわれる。有名な録音にも数多く起用され、レジオン・ドヌール勲章(名誉軍団国家勲章)など受章多数。

写真:Festival d’Aix-en-Provence









関連記事

  1. 訃報 〓 フランツ・マズラ(95)オーストリアのバス・バリトン歌手

  2. ミラノ発 〓 スカラ座も閉鎖、新型コロナウイルスの感染拡大で

  3. バンクーバー発 〓 オットー・タウスクがバンクーバー響との契約を延長

  4. モスクワ発 〓 ボリショイ劇場が過去の公演をYouTubeで配信

  5. ドレスデン発 〓 ザクセン州立歌劇場が新制作《カプリッチョ》をストリーミングへ、指揮はティーレマン

  6. 台北発 〓 指揮者のエリアフ・インバルが台北市立響との契約を破棄、首席指揮者を退任

  7. ウィーン発 〓 2022年の「ニューイヤー・コンサート」の指揮者はバレンボイム

  8. トロント発 〓 グスターボ・ヒメノが音楽監督を務めるトロント響との契約を延長

  9. 訃報 〓 レイモンド・レッパード(92)英国の指揮者

  10. ウィーン発 〓 国立歌劇場が4月第2週のストリーミング・ラインナップを発表

  11. パリ発 〓 11月開催のロン・ティボー・クレスパン国際音楽コンクールが早くも中止を決定

  12. オビエド発 〓 スペインのアストゥリアス公国州響の音楽監督にポルトガルの指揮者ヌーノ・コエーリョ

  13. シカゴ発 〓 シカゴ響が2024/2025シーズンの公演ラインナップを発表

  14. ルートヴィヒスハーフェン発 〓 ラインラント=プファルツ州立フィルが首席指揮者のマイケル・フランシスとの契約を延長

  15. ノールショピング発 〓 ノールショピング交響楽団の首席指揮者兼芸術顧問にカール・ハインツ・シュテフェンス

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。