フランスの名バリトン歌手ガブリエル・バキエ(Gabriel Bacquier)が亡くなった。95歳だった。17日には96歳の誕生日を迎える予定だった。死因は明らかにされていない。
パリ・オペラ座の三大バリトンと呼ばれた歌手の一人で、オペラ界屈指の演技派歌手として知られ、深みのある声と相まって、多くのオペラ・ファンを魅了した。
フランス南西部ベジエ生まれ。モンペリエで声楽を学んだ後、パリ高等音楽院に入学。1953年にブリュッセルのモネ劇場のメンバーとなり、その後、1956年にオペラ・コミック、1960年にエクス=アン=プロヴァンス音楽祭、1962年にパリ・オペラ座と、フランス国内で活躍の場を広げた。
続いて、ウィーン国立歌劇場、ミラノ・スカラ座、ロイヤル・オペラといった世界的な歌劇場に相次いでデビュー。その後、米国にも活躍の場を広げ、ニューヨークのメトロポリタン歌劇場には18シーズン連続で出演を重ねた。
表情豊かな歌い回しでコミカルな役からシリアスな役、悪役まで演じ、多彩なレパートリーを誇る。彼によって新たな命を吹き込まれたキャラクターも多いといわれる。有名な録音にも数多く起用され、レジオン・ドヌール勲章(名誉軍団国家勲章)など受章多数。
写真:Festival d’Aix-en-Provence
訃報 〓 ガブリエル・バキエ(95)フランスのバリトン歌手
2020/05/14
【最終更新日】2023/02/16
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