ノヴァーラ発 〓 名門「グイード・カンテルリ国際指揮者コンクール」が復活

2020/03/08
【最終更新日】2020/03/10

イタリアの「グイード・カンテルリ国際指揮者コンクール」が復活することになった。イタリアの名指揮者を記念するコンクールは1980年の第10回を最後に終了していたが、カンテルリの生誕100年を記念して、彼の故郷ノヴァーラでこの9月、「11回目のコンクール」として開催される。

カンテルリは1920年生まれの、イタリアの戦後第1世代の指揮者。ミラノ音楽院在学中からその才能が注目を集め、兵役後、1945年にはスカラ座管弦楽団を初めて指揮している。その後、巨匠アルトゥーロ・トスカニーニの目に留まり、1949年1月には渡米してNBC交響楽団を指揮して米国にもデビューした。

1953年にはザルツブルク音楽祭にデビュー。モーツァルト生誕200年に当たる1956年の音楽祭では《コジ・ファン・トゥッテ》を指揮。その直後、36歳の若さで、ヴィクトル・デ・サーバタの後任としてスカラ座の音楽監督に指名された。しかし、それから約1週間後、ニューヨークに向かうためにパリで乗った航空機が離陸に失敗して帰らぬ人となった。

コンクールは1963年、若手指揮者発掘をめざして創設。ミラノ・スカラ座が主体となって行われ、第1回のエリアフ・インバル以下、リッカルド・ムーティ、井上道義、アダム・フィッシャー、ユベール・スダーン、ローター・ツァグロセクといった指揮者を世に送り出した。

今回のコンクールは18歳から35歳までが対象。9月9日から12日にかけてトリノで王立歌劇場管弦楽団を指揮、13日にノヴァーラのコッチャ劇場(Teatro Coccia) で最終選考が行われる。審査委員長は1980年の第10回のコンクールで優勝したドナート・レンゼッティ(Donato Renzetti)。

写真:Guido Cantelli International Conducting Competition


    もっと詳しく ▷


関連記事

  1. ポートランド発 〓 オレゴン響も楽団員と指揮者全員をレイオフ

  2. ヴュルツブルク発 〓 メゾ・ソプラノのヴァルトラウト・マイヤーが引退コンサート

  3. ニューヨーク発 〓 メトロポリタン歌劇場がアイーダ・ガリフッリーナの出演をキャンセル

  4. リエージュ発 〓 指揮者のスペランツァ・スカップッチが喉の手術で休養

  5. パリ発 〓 米国のソプラノ歌手リセッテ・オロペサにフランス政府の「芸術文化勲章シュヴァリエ」

  6. バルセロナ発 〓 スペイン放送協会がサグラダ・ファミリア大聖堂でウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の特別コンサート

  7. ヴェローナ発 〓 ガスディア総裁が音楽祭の開催を諦めていないと、新聞のインタビューで

  8. ベルン発 〓 チェリストのアントニオ・メネセスが進行性の脳腫瘍と診断されたことを明らかに

  9. ミュンヘン発 〓 バイエルン州立歌劇場が13日、ドイツの歌劇場のトップを切って再開場

  10. ニューヨーク発 〓 ハイフェッツの全盛期支えたストラディヴァリウスが75年ぶりにオークションに

  11. 東京発 〓 読売日本交響楽団が2025/2026シーズンの公演ラインナップを発表、常任指揮者ヴァイグレとの契約延長も同時発表

  12. 東京発 〓 N響の第1コンサートマスターに長原幸太

  13. 東京発 〓 新日本フィルが2024/2025シーズンの公演ラインナップを発表

  14. ドレスデン発 〓 ザクセン州立オペラが新シーズン、2022/2023シーズンの公演ラインナップを発表

  15. マイニンゲン発 〓 州立劇場の次期音楽総監督は初のアルランド人、キリアン・ファレル

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。