ついに論争に終止符!? スウェーデンの「BIS」レーベルが、ドイツ・バイロイト音楽祭(Bayreuther Festspiele)の伝説の名演として知られるヴィルヘルム・フルトヴェングラー指揮の「第九」のアルバムをリリースすると発表した。当日の演奏を放送したスウェーデン放送の番組が音源になっているという。この日の演奏については複数のライブ・アルバムがリリースされてきたが、コアな音楽ファンの間でそれらの演奏の出自が問われてきたという経緯がある。
収録されているとされる演奏会は1951年7月29日、第二次世界大戦の敗戦で中止されていたバイロイト音楽祭の再開を祝って行われたもの。巨匠フルトヴェングラーがバイロイト祝祭管弦楽団を指揮、ベートーヴェン交響曲第9番《合唱》、いわゆる「第九」が演奏された。その演奏会は「英HMV(EMI)」レーベルによって録音されたことが知られており、巨匠の死後、1955年に2枚組のLPレコードが発売された。
ところが2007年、日本の愛好家団体が当日のラジオ中継を行ったバイエルン放送の倉庫で別の録音テープを発掘。「英HMV(EMI)」レーベルの録音とは別の演奏であったことから、本番だけでなく、「ゲネプロ」と呼ばれるいわゆる通し演奏の録音もあった可能性が浮上。以来、コアな音楽ファンの間で、どちらかの録音を核に使いながら、部分的にもう一方の録音も使い、編集したのではないか、という論争が起きていた。
発表によれば、「BIS」レーベルのアルバムの音源は、スウェーデン放送によって放送された番組の録音で、冒頭の3か国語(ドイツ語、英語、スウェーデン語)によるアナウンス、指揮者の入場、演奏、最後の大歓声と拍手、番組終了のアナウンスまでの85分間を収めているという。発売は発売は12月20日の予定で、SACDハイブリッド盤で登場する。
写真:Bayreuther Festspiele
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アケルスベルガ発 〓 ついに論争に終止符!?、「BIS」レーベルが“フルヴェンのバイロイトの第九”の完全録音をリリース
2021/10/15
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