8月末に突然の引退を表明した米国のテノール歌手ステファン・グールド(Stephen Gould)が自身のWEBサイトに声明を掲載、引退の理由に胆管がんとの闘病があったことを明らかにした。声明によると、既に余命10ヵ月の宣告を受けているという。
グールドは米国ヴァージニア州生まれの61歳。力強く、ドラマチックな声を意味する「ヘルデンテノール」を代表する一人で、ワーグナー作品を中心に国際的に活躍。この夏のドイツ・バイロイト音楽祭では、《神々の黄昏》のジークフリート、《トリスタンとイゾルデ》のトリスタン、《タンホイザー》のタンホイザーにキャスティングされていたが、すべて降板している。
声明は以下の通り。
ファンの皆さん、応援してくださる皆さんへ:
バイロイト音楽祭が終わるのを待っていました。私は、ヴェルクシュタット(※注 実験工房、バイロイトを意味すると思われる)が卓越性を目指して努力を続けていることに、喜びと称賛の念を抱いています。
私は胆管がんを合併していると診断されました。胆管がんは致命的な病気で、余命は数ヶ月から10ヶ月です。治療法はありません。
バイロイトには、この偉大な音楽家の作品の演奏について、私が知りたかったことをすべて教えてくれたことに感謝している。
多くの思い出とともに … ステファン・グールド
写真:BKA / Valerie Alwarich
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