ウィーン発 〓 ネトレプコがロシアのウクライナ侵略に反対、プーチン大統領との関係を否定する声明

2022/03/31

休養宣言を出していたスター・ソプラノ歌手のアンナ・ネトレプコ(Anna Netrebko)がロシアのウクライナ侵略に反対し、プーチンと手を結んだことはないと断言する新たな声明を発表した。

声明の中でネトレプコは「私はウクライナに対する戦争を明確に非難し、この戦争の犠牲者とその家族に思いを馳せます。私の立場は明確です。私はいかなる政党のメンバーでもなく、ロシアのいかなる指導者とも手を結んでいません。私の過去の行動や発言が誤解される可能性があったことは認め、反省している」と語っている。

また、ウクライナ侵略を始めたプーチン大統領との関係については「大統領とは芸術賞の受賞やオリンピックの開会式などでお会いしたことがありますが、人生で数えるほどしかありません。それ以外には、ロシア政府からいかなる金銭的支援も受けたことはなく、オーストリアに居住し、納税者でもあります」と述べている。

声明では、5月から演奏活動を再開させることも表明。声明を「私は祖国ロシアを愛し、芸術を通じて平和と団結を求めているだけです」と結んでいる。

ネトレプコは2014年にロシアがクリミア半島を侵略した際、ロシアが支援する分離主義者に対する支持を表明。そのこともあり、ロシアのウクライナ侵略後は、ニューヨークのメトロポリタン歌劇場をはじめとして、出演をキャンセルされ、休養宣言を出していた。

写真:Anna Netrebko


関連記事

  1. プラハ発 〓 国立歌劇場の音楽監督にカール・ハインツ・シュテフェンス

  2. ウィーン発 〓 ウィーン少年合唱団が2021年の海外ツアーをすべてキャンセルも、10月にニュー・アルバムをリリース

  3. ロンドン発 〓 王立音楽院がパッパーノ、カウフマンに名誉博士号

  4. リーズ発 〓 リーズ国際ピアノコンクールが予選通過者を発表

  5. パリ発 〓 劇場の占拠、フランス全土へ拡大

  6. ハンブルク発 〓 新制作《後宮からの逃走》で演出家が交代、ハンブルク州立オペラ

  7. パリ発 〓 指揮者のクリスティアン・マチェラルがフランス国立管との契約を延長

  8. ロンドン発 〓 モンテヴェルディ合唱団・管弦楽団の理事会が創設者のジョン・エリオット・ガーディナーの解任を発表

  9. パリ発 〓 パリ国立オペラが総監督のニーフとの契約を更改、2031/2032シーズン終了まで任期延長

  10. ベルリン発 〓 ベルリン・フィルが11月の米国ツアー中止を発表

  11. クリーブランド発 〓 フランツ・ウェルザー=メストがクリーブランド管との契約を延長

  12. 東京発 〓 東京フィルが2022シーズンの定期演奏会ラインナップを発表、バッティストーニ、チョン、プレトニョフが揃い踏み

  13. リエージュ発 〓 ベルギーのワロン王立オペラが2021/2022シーズンの公演ラインナップを発表

  14. アテネ発 〓 国立歌劇場がオッフェンバック《ホフマン物語》をギリシャ初演へ

  15. ドレスデン発 〓 ドレスデン・フィルの首席客演指揮者にノルウェーのタビタ・ベルグルンド

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。