ドイツ・ミュンヘンのバイエルン州立オペラ(Bayerische Staatsoper)が2020/2021シーズンの公演ラインナップを発表した。
新制作は、世界初演となるルカ・フランチェスコーニの《アテネのタイモン》、ミロスラフ・スルンカの《シンギュラリティ》を含む8作品。
フランチェスコーニはイタリアの作曲家で1956年の生まれ。スルンカはチェコの作曲家で1975年の生まれ。バイエルン州立歌劇場では2016年にオペラ《南極点》が初演されている。
ヴァルター・ブラウンフェルス(1882-1954)はフランクフルト出身のドイツの作曲家で、1920年代にはリヒャルト・シュトラウスやフランツ・シュレーカーとともにドイツを代表するオペラ作曲家と目されていた。
しかし、ユダヤ系であったことから1933年にナチス・ドイツによって公職を追われ、その音楽には「退廃音楽」の烙印を押された。《鳥たち》は代表作の一つで、3番目のオペラ。1920年にブルーノ・ワルターの指揮でミュンヘンで初演されたゆかりの作品。
2020/2021シーズンは、2008/2009シーズンから劇場を率いてきた総監督のニコラウス・バッハラー、音楽総監督のキリル・ペトレンコのコンビにとって最後のシーズン。2021/2022シーズンからは総監督にセルジュ・ドルニー、音楽総監督にはウラディーミル・ユロフスキがそれぞれ就任することが決まっている。
ドイツ物では、リヒャルト・シュトラウス《薔薇の騎士》とワーグナー《トリスタンとイゾルデ》が新制作される。それぞれ、演出はバリー・コスキーとクリストフ・ワリコフスキ。
ブラウンフェルス《鳥たち》
10月31日 →
指揮:インゴ・メッツマッハー
演出:フランク・カストルフ
出演:チャールズ・ワークマン / キャロライン・ウェッターグリーン / ミヒャエル・ナジ / ヴォルフガング・コッホ
ルカ・フランチェスコーニ《アテネのタイモン》 = 世界初演
11月29日 →
指揮:ケント・ナガノ
演出:アンドレアス・クリーゲンブルク
出演:トビー・スペンス / ヨッヘン・クプファー / エイドリアン・アンジェリコ / ニコライ・シューコフ
ウェーバー《魔弾の射手》
2021年2月7日 →
指揮:アントネッロ・マナコルダ
演出:ドミトリー・チェルニャコフ
出演:ゴルダ・マティアス・シュルツ / パヴェル・チェルノフ / アンナ・プロハスカ / カイル・ケテルセン
リヒャルト・シュトラウス《薔薇の騎士》
2021年3月13日 →
指揮:ウラディーミル・ユロフスキ
演出:バリー・コスキー
出演:マーリス・ペーターゼン / クリストフ・フィッシェッサー / サマンサ・ハンキー / カタリナ・コンラディ
アリベルト・ライマン《リア》
2021年5月23日 →
指揮:ユッカ=ペッカ・サラステ
演出:クリストフ・マルターラ
出演:クリスティアン・ゲルハーヘル / ハンナ=エリーザベト・ミュラー / アンゲラ・デノケ / アウシュリネ・ストゥンディーテ
ミロスラフ・スルンカ《シンギュラリティ》 = 世界初演
2021年6月11日 →
出演:オペラ・スタジオのメンバー
ワーグナー《トリスタンとイゾルデ》
2021年6月29日 →
指揮:キリル・ペトレンコ
演出:クリストフ・ワリコフスキ
出演:ヨナス・カウフマン / アニヤ・ハルテロス / ミカ・カレス / ヴォルフガング・コッホ / オッカ・フォン・デル・ダメラウ
(ミュンヘン・オペラ・フェスティバルでの上演)
モーツァルト《イドメネオ》
2021年7月19日 →
指揮:コンスタンティノス・カリーディス
演出:アントゥ・ロメロ・ヌネス
出演:マシュー・ポレンザーニ / オルガ・クルチンスカ / エミリー・ダンジェロ / ハンナ=エリーザベト・ミュラー
(ミュンヘン・オペラ・フェスティバルでの上演)
写真:Bayerische Staatsoper / Wilfried Hösl
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