名伯楽として知られたロシアのピアニスト、セルゲイ・ドレンスキー(Sergei Dorensky)が26日に亡くなった。88歳だった。母校モスクワ音楽院でピアニストを育てる一方、チャイコフスキー、ショパン、浜松といったピアノ・コンクールの審査員を歴任した国際コンクール界の重鎮。
ドレンスキーは1931年、モスクワの生まれ。中央音楽学校、モスクワ音楽院で学んだ。グリゴリー・ギンズブルクに師事しており、ロシア五大ピアノ楽派を構成する「ギンスブルグ楽派」直系のピアニストとして知られる。
ピアニストとしては音楽院在学中の1955年にワルシャワで行われた第5回「世界青年学生祭典」で第1位、1957年にはリオデジャネイロ国際ピアノコンクールで第2位を獲得した。
1957年に音楽院研究科を修了すると母校の教員となり、教授を経て1978年からピアノ学部の学部長。1994年から1997年までは音楽院のピアノ特別科も統括した。
その門下から、ニコライ・ルガンスキー、デニス・マツーエフ、アレクサンドル・シュタルクマン、オルガ・カーン、ヒョードル・アミロフ、アンドレイ・ピサレフなどを輩出。指導した国際コンクール入賞者は100人を超えるといわれる。
1988年にソ連当局より「人民芸術家」の称号を贈られている他、2007年には「祖国功労勲章」も受章した。2015年には日本から旭日小綬章受章が贈られている。
写真:www.discogs.com
訃報 〓 セルゲイ・ドレンスキー(88)ロシアのピアニスト
2020/02/27
【最終更新日】2023/02/16
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