コッレッジョ発 〓 レオ・ヌッチが引退を“宣言”

2019/10/25

世界的なバリトン歌手のレオ・ヌッチ(Leo Nucci)が17日夜、イタリア・コッレッジョのアジオーリ劇場で行われたルチアーノ・パヴァロッティを顕彰するガラ・コンサートで歌手活動からの引退を“宣言”した。ヌッチはかねてから10月10日にパルマ王立歌劇場で行われるコンサートが最後と公言してきたが、17日のコンサートで「私は既にカーテンを閉めることに決めていましたが、友人ルチアーノを記念して例外を作りました」。今後、歌手活動からは引退するものの、演出家としてオペラに関わっていくという。

ヌッチは1942年、ボローニャ近郊のカスティリオーネ・デイ・ペーポリ生まれの77歳。1967年にスポレート音楽祭の《セビリアの理髪師》でフィガロを歌ってオペラ歌手としてデビューした後、1969年からミラノ・スカラ座の合唱団員として活動。1973年のヴィオッティ国際音楽コンクールで第1位を獲得して注目を集め、1975年にフェニーチェ劇場の《ラ・ボエーム》でショナールを歌ってソリストとして再始動。その後、世界の著名な歌劇場で活躍。幅広いレパートリーを持つが、現代最高のヴェルディ・バリトンとして名高く、中でも《リゴレット》の主人公リゴレットは他の追随を許さない。

写真:Pavarotti d’Oro

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