訃報 〓 ディナ・ウゴルスカヤ(46)旧ソ連出身のドイツのピアニスト

2019/10/01
【最終更新日】2023/02/16

ドイツの女流ピアニスト、ディナ・ウゴルスカヤ(Dina Ugorskaja)が9月17日、がんで亡くなった。46歳だった。父親はピアニストのアナトール・ウゴルスキ。母親のマヤ・エリクはシェーンベルクの《月に憑かれたピエロ》のソビエト初演で朗読を担当した音楽学者。

1973年、父親が活動していたソビエト時代のレニングラード(現在のサンクト・ペテルブルク)で生まれた。ウゴルスキは1982年から1990年までレニングラード音楽院の教授を務めた。

父親からピアノの手ほどきを受けた後、1980年からレニングラード音楽院に所属する特別音楽学校で学んだ。7歳でレニングラード・フィルハーモニー管弦楽団フィルと共演して注目を集めた。

しかし、1980年後半からの体制改革運動「ペレストロイカ」の流れの中でソビエトでは反ユダヤ主義的な動きが表面化。脅威がウゴルスキと家族に及んできたことから、1990年に一家でドイツ・ベルリンに亡命した。

亡命後、ハンス・アイスラー音楽大学に進み、その後、デトモルト音楽大学へ。そのまま大学に残り、2002年から2007年まで講師を務めた。その後、ソロ活動のかたわら、2016/17シーズンからウィーン国立音楽演劇大学で、亡くなるまでピアノ科の教授を務めていた。

写真:BR-KLASSIK / Felix Broede


関連記事

  1. ニュルンベルク発 〓 州立劇場の次期音楽総監督にアイルランドの指揮者キリアン・ファレル

  2. ハノーファー発 〓 名門レーベル「ドイツ・グラモフォン」がヨアナ・マルヴィッツと契約、女性指揮者は二人目

  3. ベルリン発 〓 ダニエル・スタブラヴァの退団を発表、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

  4. ヴッパータール発 〓 指揮者のパトリック・ハーンが任期満了で市立劇場の音楽総監督を退任へ

  5. ベルリン発 〓 コーミッシェ・オーパーが2021/2022シーズンの公演ラインナップを発表

  6. ベルリン発 〓 ベルリン・フィルがコンサート形式による《マゼッパ》をストリーミング配信

  7. ロンドン発 〓 ロイヤル・オペラがグリゴーロに“黒判定”、メトロポリタン歌劇場も

  8. ドレスデン発 〓 フラウエン教会の「アドヴェント・コンサート」は無観客で

  9. 訃報 〓 ジェシー・ノーマン(74)米国のソプラノ歌手

  10. リンツ発 〓 州立劇場の首席指揮者にイングマール・ベック

  11. ハンブルク発 〓 シルヴァン・カンブルランが首席指揮者を務めるハンブルク響との契約を延長

  12. ボーフム発 〓 ルール・トリエンナーレの芸術監督に演出家のイヴォ・ヴァン・ホーヴェ

  13. ルツェルン発 〓 ルツェルン響の次期首席指揮者にミヒャエル・ザンデルリング

  14. ライプツィヒ発 〓 ゲヴァントハウス管が2020/2021シーズンの公演ラインナップを発表、目玉は「マーラー・フェス」

  15. ベルリン発 〓 ベルリン音楽祭が2025年の公演ラインナップを発表、セクハラで活動を休止していたロトがベルリン・フィル指揮して現場復帰

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。