ワイマール発 〓 未完に終わっていたリストのオペラを世界初演

2018/09/05

未完に終わっていたフランツ・リスト(1811-1886)のイタリア語オペラ《Sardanapalo》が先月、ドイツ・ワイマールで世界初演された。《Sardanapalo》はアッシリアの最後の王サルダナパールを描いた3幕構成の作品で、バイロンが1821年に書いた歴史的悲劇「Sardanapalus」を元にしている。

上演のための楽譜は、英国ケンブリッジ大学のデヴィッド・トリペッド講師が補筆、完成させたもの。きっかけは講師がライプチヒ音楽院の学生時代、ワイマールにあるゲーテ・シラー資料館で《Sardanapalo》の写本を発見したこと。リストは1846年から1858年にかけ、ワイマールの宮廷楽団の監督を務めており、講師の調査では、リストが作品に取り組んだのは1849年のことだという。発見以来、講師は10年以上かけてリストのスケッチなど断片を繋ぎ合わせ、直近の3年でオーケストレーションを施すなどして楽譜を仕上げた。

演奏会スタイルによる上演が行われたのは19日と20日。キリル・カラビッツ指揮のワイマール国民劇管弦楽団によって行われた。オーケストラの新シーズンの開幕を飾る演奏会で、歌手陣はオレクサンドル・プシニアク(バリトン)、ジョイス・エル=コーリー(ソプラノ)、アイラム・ヘルナンデス(テノール)。

写真:Staatskapelle Weimar  / Candy Welz




関連記事

  1. ベルリン発 〓 バレンボイムがベルリン州立歌劇場との契約延長

  2. 訃報 〓 ハンス・コックス(85)オランダの作曲家

  3. ヴェルディ・フェスティバル 〓 2019年は4作品を上演

  4. リッチモンド発 〓 次回のメニューイン・コンクールの審査委員長はパメラ・フランク

  5. トリノ発 〓 RAI国立交響楽団の開幕コンサートをライブ放送

  6. バイロイト音楽祭 〓 2019年の《タンホイザー》でゲルギエフが音楽祭デビュー

  7. ベルリン発 〓 アルテミス・カルテットが存続の危機?

  8. ブダペスト発 〓 復帰進むデュトワが《青ひげ公の城》を指揮

  9. パリ発 〓 デュトワがフランス国立管を指揮してフランス音楽界復帰

  10. ジュネーブ発 〓 ジュネーブ国際音楽コンクールのピアノ部門が終了

  11. PMF 〓 ゲルギエフ指揮で2020年にオペラを上演

  12. ローマ発 〓 映画音楽の大御所モリコーネが引退?

  13. ビーゴ発 〓 2019年の第3回コンクールは“アルゲリッチ・エディション”

  14. ドレスデン発 〓 ドミンゴがザクセン州立歌劇場にデビュー

  15. プラハ発 〓 ドミンゴ主宰の「オペラリア2019」が閉幕

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。