アムステルダム発 〓 ロイヤル・コンセルトヘボウ管の代役続々

2018/08/12

セクハラ問題で首席指揮者のダニエレ・ガッティを電撃解任にしたロイヤル・コンツェルトヘボウ管弦楽団の、間近に迫ったコンサートの代役が決まり始めた。シーズンのオープニング・コンサートは9月14日で、こちらは元々、トーマス・ヘンゲルブロックの指揮。直近のコンサートはアムステルダムで行われる8月23日の演奏会(ブルックナーの交響曲第3番を中心としたプログラム)で、マンフレート・ホーネックが代役に決まった。オーケストラはこのプログラムで9月3日にリュブリャーナ、4日にベルリン、5日にルツェルンで演奏会を行うが、その演奏会もホーネックが指揮する。

また、マーラーの交響曲第9番を取り上げる演奏会が、8月29日にアムステルダム、9月1日のクリオン(キプロス)、9月6日のルツェルンで行われるが、アムステルダムとルツェルンの演奏会は、オーケストラの常任指揮者を長く務めた(1959-1988)楽壇の最長老ベルナルト・ハイティンク(89)が指揮する。ハイティンクは今年6月、この曲を振っており、2回目の演奏会の時に舞台上で転倒、負傷したことで3日目は降板している。そのコンサートの代役を務め、センセーショナルは成功を収めたのがハイティンクのアシスタントで英国の若手指揮者ケレム・ハサン(27)。キプロスのコンサートは彼が指揮する。

9月の演奏会で指揮者未定なのは、本拠地で行われる19日、20日、21日、23日の演奏会。ブルックナーの交響曲3番、アムステルダム在住の作曲家ルイ・アンドリーセン(Louis Andriessen)の「神話」というプログラム。「神話」はホールとオーケストラの創立125周年を記念して委嘱された作品で、2013年の世界初演時は当時の首席指揮者マリス・ヤンソンスが指揮している。後任の首席指揮者に指揮させたいプログラムだけに代役が難しい。退団後も関係が良いヤンソンスに代役を頼みたいところだが、彼は元々、10月11日、12日、14日にブリテンの《戦争レクイエム》でオーケストラの指揮台に立つことになっている。

写真:IMG

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