中国を代表する現代作曲家の譚盾(Tan Dun)が米国のバード大学の音楽学部長に就任することになった。バード大学はニューヨーク州北部に広大なキャンパスを持つ名門校で、第二次世界大戦当時にはナチス・ドイツから逃れてきたハンナ・アーレントなどの知識人らに職場を提供したことで知られる。音楽学部はバード音楽院(Bard College Conservatory of Music)の名称で知られ、オペラからバロック、現代音楽と幅広いコースがあり、学部生として音楽とリベラルアーツ両方の学士号を取得できる5年間の「デュアル・ディグリープログラム」が有名。ジョン・ケージ・トラストの本部が学内にあり、現代音楽教育にも力を入れている他、全米では珍しい中国音楽研究所なども併せ持つ。
譚は1957年、中国湖南省の省都、長沙の生まれ。文化大革命時の「下放政策」で人民公社での生活をおくった後、北京の中央音楽学院で学び、1985年からニューヨークへ居を移してコロンビア大学の博士課程に入学。中国の土着音楽、クラシック音楽、ニューヨークで学んだ現代音楽の要素を取り入れた独特の作風を確立。1997年には香港返還式典のための「交響曲1997天地人」を作曲している他、映画「グリーン・デスティニー」の音楽で2001年の第73回アカデミー賞作曲賞を受賞、2008年にはグーグルからの依頼を受けて「YouTubeシンフォニー・オーケストラ」のために「インターネット交響曲第一番《英雄》を作曲と、広いジャンルの音楽を手掛けてきた。
写真:http://tandun.com/
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ニューヨーク発 〓 作曲家のタン・ドゥンがバード音楽院のトップに
2018/12/24
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