東京発 〓 東フィルが2024シーズンのラインナップを発表

2023/12/24

東京フィルハーモニー交響楽団(Tokyo Philharmonic Orchestra)が2024シーズン(2024年1月ー12月)のラインナップを発表した。定期公演は8回で、名誉音楽監督のチョン・ミョンフン、首席指揮者のアンドレア・バッティストーニ、特別客演指揮者のミハイル・プレトニョフに加え、桂冠指揮者のダン・エッティンガーと2021年のハチャトゥリアン国際指揮者コンクールで優勝した出口大地が指揮台に立つ。

開幕公演となる1月の公演に登場するのはプレトニョフで(1月23日・1月25日・1月28日)、今回は北欧プログラム。シベリウスの交響曲第2番をメインに据えたプログラムで登場、グリーグのピアノ協奏曲のソリストには、2021年のショパン国際ピアノ・コンクールで第3位を獲得したマルティン・ガルシア・ガルシアを迎える。

続いて、2月公演(2月22日・25日・27日)を手掛けるのはチョン。2024シーズンで最多の3回の公演の指揮台に上がるが、2月はベートーヴェンの交響曲第6番《田園》とストラヴィンスキーのバレエ音楽《春の祭典》の組み合わせ。チョンは続いて6月公演(6月23日・24日・26日)で、メシアンの《トゥランガリーラ交響曲》を指揮する。

チョンはその後、9月公演(9月15日・17日・19日)を指揮、演奏会形式でヴェルディの歌劇《マクベス》を取り上げる。マクベス役にセバスティアン・カターナ、マクベス夫人にヴィットリア・イェオ、バンクォーはアレックス・エスポージト、マクダフにはステファノ・セッコが起用されている。

首席指揮者のバッティストーニは、3月と11月公演を手掛ける。3月公演(3月10日・13日・15日)は、レスピーギの《リュートのための古風な舞曲とアリア》第2組曲とオルフの世俗カンタータ「カルミナ・ブラーナ」を組み合わせている。また、11月公演(11月13日・17日・19日)ではマーラーの交響曲第7番。東フィルとはこれまで、1、5、8番の交響曲を取り上げており、それに続く第4弾。

一方、エッティンガーは7月公演(7月24日・28日・29日)を受け持つ。定期公演を指揮するのは10年ぶりで、気鋭のピアニスト阪田知樹をソリストに起用したモーツァルトのピアノ協奏曲第20番、それにブルックナーの交響曲第4番《ロマンティック》を組み合わせたプログラムを指揮する。

また、出口は10月公演(10月17日・18日・20日)を担当。コンクリール優勝後、2022年の定期演奏会にハチャトゥリアン・プログラムを引っ提げて登場、日本デビューを果たすなど東フィルとは縁が深く、今回はハチャトゥリアンに加え、トルコのピアニストで作曲家のファジル・サイのヴァイオリン協奏曲《ハーレムの千一夜》を指揮する。ヴァイオリンの独奏は服部百音。

写真:Staatskapelle Dresden


  もっと詳しく ▷


関連記事

  1. シュレスヴィヒ=ホルシュタイン音楽祭 〓 今年の「レナード・バーンスタイン賞」にエミリー・ダンジェロ

  2. 東京発 〓 第33回「高松宮殿下記念世界文化賞」、音楽部門はピアノのクリスチャン・ツィメルマン

  3. サンティアゴ・デ・コンポステーラ発 〓 ガリシア王立フィルハーモニーの次期芸術監督にバルドゥア・ブレニマン

  4. ブリスベン発 〓 オペラ・オーストラリアがこの冬の《ニーベルングの指環》の新製作を断念

  5. アケルスベルガ発 〓 ついに論争に終止符!?、「BIS」レーベルが“フルヴェンのバイロイトの第九”の完全録音をリリース

  6. 訃報 〓 シャーンドル・ショーヨム=ナジ(79)ハンガリーのバリトン歌手

  7. ウィーン発 〓 国立歌劇場が2021/2022シーズンの公演ラインナップを発表

  8. ニュルンベルク発 〓 演出家のペーター・コンヴィチュニー、初日前にまた解任される

  9. 訃報 〓 ゲンナジー・ロジェストヴェンスキー(87)ロシアの指揮者

  10. 訃報 〓 アガ・ミコライ(51)ポーランドのソプラノ歌手

  11. ニューヨーク発 〓 ダウンしていたメトロポリタン歌劇場のウェブサイトが復旧、楽友協会はなお未開通

  12. パリ発 〓 フランスの夏の音楽祭も相次いで中止を発表

  13. 東京発 〓 N響が首席指揮者のファビオ・ルイージとの契約を早くも延長

  14. 訃報 〓 セルゲイ・スロニムスキー(88)ロシアの作曲家

  15. ロンドン発 〓 指揮者のジャン・レイサム=ケーニックが児童に対する性犯罪の疑いで逮捕された

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。