ドイツのアーヘン市立劇場(Theater Aachen)がホワイエにあった指揮者ヘルベルト・フォン・カラヤン(Herbert von Karajan)の胸像を撤去したと発表した。カラヤンとナチスとの繋がりに関する最新の調査結果に基づいての措置という。報道によると、アーヘンの音楽総監督のポストに就くためナチス党に入党したとしていたカラヤンの生前の主張は虚偽で、就任前の1933年の時点で既に党員になっていたことが判明したという。
カラヤンは1908年、オーストリア・ザルツブルクの生まれ。言わずと知れた戦後最大のスター指揮者で、1955年から1989年までベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の終身指揮者・芸術監督を務めるなど“楽壇の帝王”とも呼ばれた。アーヘンの音楽総監督に就任したのは1935年で、当時のドイツで最も若い音楽総監督として注目を集め、そのキャリアを大きく飛躍させるきっかけとなった。
撤去された胸像は市立博物館に引き渡され、そのスペースには当面、以前あったモーツァルトの古い胸像が置かれる。博物館は2025年に劇場のナチス時代を検証する「アーヘン市立劇場の200年」展を開催する予定で、カラヤンの胸像はそこに展示されるという。劇場側は最終的に、ユダヤ系でナチス政権下でスウェーデンに亡命した作曲家で指揮者のレオ・ブレッヒの胸像を建てる計画。
写真:Theater Aachen / Andreas Schmitter / Schmitter Fotografie
アーヘン発 〓 市立劇場がカラヤンの胸像をホワイエから撤去
2023/11/30
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