ニューヨーク発 〓 メトロポリタン歌劇場、セクハラ問題でレヴァインを解雇

2018/03/14
【最終更新日】2018/03/28

ニューヨークのメトロポリタン歌劇場は12日、セクハラ疑惑が浮上していた指揮者で名誉音楽監督のジェームズ・レヴァイン(James Levine)を解雇し、関係を断つとの声明を発表した。

レヴァインのセクハラ疑惑については昨年2017年12月2日、40代男性が前年の2016年にレヴァインを性的虐待でイリノイ州警察に告発していたとニューヨーク・タイムスが報道。15歳だった1985年から数年間にわたり、性器を触られたり、自慰行為を強要されるなどの性的虐待を受け、男性が自殺を考えるほど悩んでいたと報じた。これを受けて、歌劇場は昨年12月からレヴァインの出演を停止。出演を見合わる動きはヴェルビエ音楽祭などにも広がっていた。

その後、さらに1960-1980年代に3人の青年に対するセクハラ疑惑も浮上。歌劇場は「ユナボマー」が起こした連続郵便小包爆弾事件を扱った連邦検事のロバート・J・クリアリーを招いて調査を行っていた。12日の声明では、音楽監督在任中の複数の疑惑について「信ずるに足る証拠」が見つかったとしている。イリノイ州の男性についてはイリノイ州警察が12日、当時の男性の年齢から起訴しない方針を明らかにした。

レヴァインは1943年、米国シンシナティ生まれの74歳。1970年にフィラデルフィア管弦楽団の客演指揮者として指揮者デビュー、1971年初めてメトロポリタン歌劇場の公演を指揮して大成功を収め、1975年に音楽監督、1986年には芸術監督に就任。以来、約40年にわたって音楽監督を続け、2015/16シーズン末にパーキンソン病のため退任した後も名誉音楽監督として指揮を続けていた。


    音楽祭情報はこちら ▷

関連記事

  1. バルセロナ発 〓 リセウ劇場が2019/2020シーズンの公演ラインナップを発表

  2. ドレスデン発 〓 ザクセン州立歌劇場(ゼンパーオパー)、2018/2019シーズンのラインナップを発表

  3. ロンドン発 〓 トーマス・アレンがオペラから引退

  4. ロサンゼルス発 〓 ドミンゴが新しい役に挑戦

  5. ダラス発 〓 ダラス交響楽団の次期音楽監督にファビオ・ルイージ

  6. ロンドン発 〓 ラトル&ロンドン交響楽団が若い音楽家のための無料アカデミーを創設

  7. ロンドン発 〓 ラトルが隠れた名作をディナー・パーティーでゲット!?

  8. ロサンゼルス発 〓 ロサンゼルス・フィルハがメータに「名誉指揮者」の称号

  9. アトランティックシティ発 〓 「ミス・アメリカ2019」に若手オペラ歌手

  10. ヘルシンキ発 〓 スザンナ・マルッキがヘルシンキ・フィルとの契約延長

  11. アムステルダム発 〓 ガッティがロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団と和解

  12. ブリュッセル発 〓 モネ劇場が好スタート、2018/2019シーズンが開幕

  13. 上海発 〓 第3回「上海アイザック・スターン国際ヴァイオリン・コンクール」が概要発表

  14. サンディエゴ発 〓 エド・デ・ワールトがサンディエゴ響の首席客演指揮者に

  15. 山形発 〓 阪哲朗が山形交響楽団の常任指揮者に

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。