戦後のポーランドを代表する作曲家クシシュトフ・ペンデレツキ(Krzysztof Penderecki)の国葬が命日である29日に故郷クラクフで行われた。新型コロナの世界的流行で延期されていたミサが聖ペテロ・聖パウロ教会で執り行われ、ミサの終了後、作曲家の遺灰を納めた骨壷が国立パンテオンに安置された。
葬儀には、アンジェイ・ドゥダ大統領ら閣僚、エルツビエタ夫人や親族が参列。交響曲第7番《エルサレムの7つの門》から“深き淵より”、《セレナード》から“パッサカリア”、《ポーランド・レクイエム》から“アニュス・デイ”などが演奏された。また、作曲家から作品の献呈を受けている25年来の友人でもあったヴァイオリニストのアンネ=ゾフィー・ムターがバッハ=グノーの《アヴェ・マリア》を演奏している。
ペンデレツキは2020年3月29日、故郷クラクフで86歳で亡くなった。代表作「広島の犠牲者に捧げる哀歌」など150以上のオーケストラ作品や器楽コンチェルト、4つのオペラ、8つの交響曲を作曲。映画音楽にも大きな影響を与え、グラミー賞を4度受賞している。
クラクフで国葬が行われたのは、1937年にペンデレツキと同じ3月29日にスイス・ローザンヌで息を引き取った作曲家カロル・シマノフスキ以来で、ポーランドのカトリック教会のトップであるヴォイチェフ・ポラック大司教は「音楽界全体が音楽が人生をより良くすると信じていた人物に別れを告げている」と述べている。
ミサに出席する予定だったドイツのフランク=ヴァルター・シュタインマイヤー大統領は新型コロナの陽性反応を受けてメッセージの代読となったが、ポーランドのメディアでは特別番組が放映された他、YouTubeでの生中継も行われている。
写真:Gość Niedzielny / Adam Wojnar
クラクフ発 〓 作曲家ペンデレツキの国葬が故郷クラクフで
2022/03/31
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