米国の作曲家でピアニストのハロルド・バッド(Harold Budd)が新型コロナウイルスによる合併症で亡くなった。84歳だった。1980年代にロック界のブライアン・イーノ(Brian Eno)との作品などで注目を集めた。ギタリストのロビン・ガスリーとの共作アルバムが先週リリースされたばかり。
1936年、ロサンゼルスの生まれ。幼少期をモハーベ砂漠で過ごし、高校卒業後はロサンゼルス・シティ・カレッジに進んだ。軍役後、サンフェルナンド・バレー州立大学で作曲家ジェラルド・ストラングに師事。その後、南カリフォルニア大学の大学院で学び、作曲家インゴルフ・ダールとの仕事を通じて研鑽を積んだ。
その後、環境音楽というジャンルを確立したイーノとのコラボレーションで頭角を現し、1978年にイーノがプロデュースでリリースされたアルバム『ザ・パビリオン・オブ・ドリームス』でブレイク。1980年の『アンビエント2/ザ・プラトウ・オブ・ミラー』や1984年の『パール』といったアルバムを通してスタイルを確立した。
浮遊した感覚のピアノ・スタイルが持ち味で、40タイトルを超えるアルバムをリリース。2005年の映画『謎めいた肌』や2020年のテレビ『ある家族の肖像』などのサウンドトラックも手掛けている。
写真:haroldbudd.com
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