リヨン発 〓 リヨン国立オペラがバレエ団の芸術監督ヨルゴス・ロウコスを解任

2020/02/13

リヨン国立オペラのバレエ団の芸術監督を務めてきたヨルゴス・ロウコス(Yorgos Loukos)が解任された。ロウコスは1991年からバレエ団のトップを務めている。フランスのメディアによると、解任の理由は、バレエ団のダンサーであるカーリン・マリオン(34)に対して、妊娠中および出産後に差別を行ったことが原因。報道によると、2014年の契約更改時、ロウコスは産休明けだったマリオンと更改をしないようバレエ団に働きかけたという。マリオンとバレエ団との契約は5年刻みで、この時は6回目の更改だったという。差別をめぐる裁判の判決は昨年12月、ロウコスに対して5,000ユーロの損害賠償を支払うよう命じた。これを受けての解任とみられる。

解任されたロウコスは、ギリシャ・アテネ生まれの67歳。パリのエコール・デ・ボザールで建築、プロヴァンス大学で哲学を学んだ後、バレエの世界に入り、チューリッヒ歌劇場バレエ団を経てマルセイユ歌劇場バレエ団に移り、ローラン・プチのアシスタントを務めた。その後、ニューヨークのメトロポリタン歌劇場のバレエ団を経て、1984年にリヨン国立オペラのバレエ団に移った。1992年からはカンヌで隔年開催される国際ダンス・フェスティバル(-2009)の監督、2006年からはアテネのエピダウロス・フェスティバルの監督も務めている。9日まで行われていた第48回ローザンヌ国際バレエ・コンクール(Prix de Lausanne)の審査委員会の副委員長を務めたばかり。

写真:Epidaurus Festival

関連記事

  1. バルセロナ発 〓 リセウ大劇場が《ローエングリン》の公演をキャンセル

  2. パリ発 〓 フランスの週刊風刺新聞が指揮者のフランソワ=グザヴィエ・ロトのセクハラ行為を告発

  3. ライプツィヒ発 〓 ライプツィヒ市が次の「トーマスカントル」を募集

  4. マドリード発 〓 州立管の次期芸術監督にアロンドラ・デ・ラ・パーラ

  5. モスクワ発 〓 チャイコフスキー記念大交響楽団の首席客演指揮者にフェリックス・コロボフ

  6. ザルツブルク発 〓 ドミンゴに「オーストリア音楽劇場賞」功績賞

  7. 香港発 〓 コンサートホールなどまた閉鎖、新型コロナウイルスの感染再拡大で

  8. 東京発 〓 NHK交響楽団がパーヴォ・ヤルヴィとの契約を延長

  9. エーケレー発 〓 ドロットニングホルム宮殿劇場の次期音楽監督にフランチェスコ・コルティ

  10. パリ発 〓 テノールのアラーニャが「レジオンドヌール勲章」を受章

  11. セナボー発 〓 デンマーク・フィルの首席指揮者に自国の若手クリスチャン・オーランド

  12. 訃報 〓 フランシス・レイ(86)フランスの作曲家

  13. 訃報 〓 ヒルデ・ザデク(101)ドイツのソプラノ歌手

  14. 香港発 〓 香港フィルの音楽監督にペルトコスキ、ズヴェーデンの後任

  15. 東京発 〓 新日本フィルが2024/2025シーズンの公演ラインナップを発表

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。