コルマール発 〓 国際音楽祭の芸術監督にアラン・アルティノグリュ、創設者のスピヴァコフは退任

2022/10/26
【最終更新日】2022/11/24

フランスのコルマール国際音楽祭(Festival International de Colmar)が芸術監督にフランス人指揮者、アラン・アルティノグリュ(Alain Altinoglu)を迎えると発表した。1989年に音楽祭を起ち上げ、その後ずっと芸術監督として音楽祭を引っ張ってきたロシアのウラディーミル・スピヴァコフ(Vladimir Spivakov)の後任。

アルティノグリュは1975年、パリ生まれの47歳。イスタンブール出身のアルメニア系の家庭で育ち、パリ国立高等音楽院で学んだ後、指揮者としてデビュー。2014/2015年シーズンからベルギー・ブリュッセルのモネ劇場の、2020/2021シーズンからドイツのhr交響楽団(旧フランクフルト放送交響楽団)の音楽監督を務めている。

退任するスピヴァコフは、旧ソ連バシコルトスタン共和国の首都ウファ生まれの78歳。モスクワ音楽院でユーリー・ヤンケレヴィチに学び、旧ソ連を代表するヴァイオリニストの一人として活躍した後、指揮者に転身した。

その後、1979年に母校モスクワ音楽院の出身者たちとモスクワ・ヴィルトゥオーゾ室内管弦楽団を起ち上げ、現在まで芸術監督を務めている。また2003年から、プーチン政権肝いりで設立されたロシア・ナショナル・フィルハーモニー管弦楽団(National Philharmonic of Russia)の芸術監督・首席指揮者を務めてきた。

この2月にロシアがウクライナに武力侵攻した直後、ボリショイ劇場のウラジーミル・ウリン総支配人が中心となって提出した「ウクライナでの特殊作戦」を止めるよう訴える請願書に書名、プーチン政権とは距離を置いていた。その後、活動が制限されているとされ、2022年の音楽祭は中止されている。音楽祭はアルティノグリュを迎え、仕切り直しといったところ。

写真:HR-Sinfonieorchester / Anna Meuer


  音楽祭プロフィールはこちら ▷

  音楽祭から生まれた銘盤 ▷


関連記事

  1. パリ発 〓 ミルガ・グラジニーテ=ティーラがフランス放送フィルの首席客演指揮者に

  2. エディンバラ発 〓 国際フェスティバルが2021年の公演ラインナップを発表

  3. リガ・ユールマラ音楽祭 〓 ネルソンズがバイロイト祝祭管弦楽団を率いて登場、シカゴ交響楽団の代役で

  4. パリ発 〓 オペラ=コミックの次期芸術監督に指揮者のルイ・ラングレー

  5. トーレ・デル・ラーゴ発 〓 ソプラノのマリア・ホセ・シーリ、セットから転落も最後まで歌い切って大喝采浴びる

  6. ウォームズリー発 〓 ガーシントン・オペラが音楽監督のダグラス・ボイド、フィルハーモニア管弦楽団、イングリッシュ・コンサートとの契約を延長

  7. ベルガモ発 〓 リッカルド・フリッツァが「ドニゼッティ・オペラ・フェスティバル」の芸術監督に

  8. ベルガモ発 〓 ドニゼッティ・オペラ・フェスティバルが2024年の公演ラインナップを発表

  9. グラフェネック発 〓 夏の音楽祭でメータが63年ぶりにトーンキュンストラー管を指揮

  10. ハレ発 〓 ヘンデル音楽祭が2021年の開催中止を発表、コロナ禍による中止は2年連続

  11. ベルガモ発 〓 ドニゼッティ・オペラ・フェスティバルが2025年の公演ラインナップを発表

  12. 訃報 〓 ニコラ・ジョエル(67)フランスの演出家、パリ国立オペラ元総裁

  13. プッチーニ・フェスティバル 〓 音楽祭がこの夏の公演ラインナップを発表

  14. ウィーン発 〓 芸術週間がクルレンツィス率いる南西ドイツ放送響招聘を見送り、リーニフらウクライナからの抗議受け

  15. パリ発 〓 ガルニエ宮、バスティーユ歌劇場相次いで改修へ

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。