リヨン国立オペラのバレエ団の芸術監督を務めてきたヨルゴス・ロウコス(Yorgos Loukos)が解任された。ロウコスは1991年からバレエ団のトップを務めている。フランスのメディアによると、解任の理由は、バレエ団のダンサーであるカーリン・マリオン(34)に対して、妊娠中および出産後に差別を行ったことが原因。報道によると、2014年の契約更改時、ロウコスは産休明けだったマリオンと更改をしないようバレエ団に働きかけたという。マリオンとバレエ団との契約は5年刻みで、この時は6回目の更改だったという。差別をめぐる裁判の判決は昨年12月、ロウコスに対して5,000ユーロの損害賠償を支払うよう命じた。これを受けての解任とみられる。
解任されたロウコスは、ギリシャ・アテネ生まれの67歳。パリのエコール・デ・ボザールで建築、プロヴァンス大学で哲学を学んだ後、バレエの世界に入り、チューリッヒ歌劇場バレエ団を経てマルセイユ歌劇場バレエ団に移り、ローラン・プチのアシスタントを務めた。その後、ニューヨークのメトロポリタン歌劇場のバレエ団を経て、1984年にリヨン国立オペラのバレエ団に移った。1992年からはカンヌで隔年開催される国際ダンス・フェスティバル(-2009)の監督、2006年からはアテネのエピダウロス・フェスティバルの監督も務めている。9日まで行われていた第48回ローザンヌ国際バレエ・コンクール(Prix de Lausanne)の審査委員会の副委員長を務めたばかり。
写真:Epidaurus Festival
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