ロンドン発 〓 置き忘れたヴァイオリン、スティーブン・モリスに戻る

2019/11/03

列車に置き忘れてしまい、10月22日から行方不明になっていた英国のヴァイオリニスト、スティーブン・モリス(Stephen Morris)のヴァイオリンが11月1日夜、彼の手元に戻った。イギリス運輸警察は10月28日に列車からそのヴァイオリンを持って降りた青年の画像を公開。すると本人からモリスに連絡が入り、ベッケンハムの駐車場で手渡されたという。警官もその場に立ち会っていたが、青年から謝罪があり、ヴァイオリンが返還されたことを受け、「これ以上は何もしない」という。

英国での報道によると、置き忘れたヴァイオリンは、1709年にイタリア・ローマの名工ダビド・テクラー(David Tecchler)が製作したもの。時価25万ポンド(約3500万円)の価値があるとされる。モリスは22日、ロンドンのヴィクトリア駅から自転車と一緒にオーピントン行きの列車に乗り込み、ペンジ・イースト駅で下車。自転車にまたがって列車内にヴァイオリンを置き忘れたことに気付き、警察に届け出ていた。

モリスは「007」シリーズや「ロード・オブ・ザ・リング」といった映画音楽の録音、デヴィッド・ボウイ、スティービー・ワンダーといったミュージシャンと舞台をともにしてきた大物。先週末はアンドレア・ボチェッリの公演でロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団のコンサート・マスターを務めたが、公演にはヴァイオリニストである夫人から楽器を借りて演奏したという。

写真:BBC

関連記事

  1. ウィーン発 〓 カウフマンが「黄金の市庁舎の男」を受章

  2. ロンドン発 〓 ロイヤル・オペラ・ハウスがロシアの指揮者パベル・ソロキンとの契約を破棄

  3. ロンドン発 〓 ガーディナー率いるモンテヴェルディ合唱団ら3団体の新しい本拠地は聖マーティン・イン・ザ・フィールズ教会

  4. ロンドン発 〓 ロイヤル・オペラが2025/2026シーズンの公演ラインナップを発表、第7代音楽監督ヤクブ・フルシャ最初のシーズンにアンナ・ネトレプコが復帰

  5. ロングボロー発 〓 フェスティバル・オペラが音楽監督のアンソニー・ニーガスの退任を発表

  6. フランクフルト発 〓 hr響の次期首席指揮者にアラン・アルティノグリュ

  7. ロングボロー・フェスティバル・オペラ 〓 2021年上演の《ワルキューレ》をストリーミング配信

  8. 東京発 〓 日本音楽財団が「フォイアマン」をカミーユ・トマに貸与

  9. ニューヨーク発 〓 ドミンゴがメトロポリタン歌劇場を“自主降板”

  10. シドニー発 〓 シドニー響の次期首席指揮者にシモーネ・ヤング

  11. ロンドン発 〓 カリーナ・カネラキスがロンドン・フィルの首席客演指揮者に

  12. ロンドン発 〓 ロンドン・フィルの次期首席指揮者にエドワード・ガードナー

  13. ロンドン発 〓 指揮者の山田和樹が英国の「ロイヤル・フィルハーモニック・ソサエティ・アワードを受賞

  14. スウォンジー発 〓 ブリン・ターフェルが再婚

  15. 訃報 〓 グラハム・クラーク(81)英国のテノール歌手

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。