米国のソプラノ歌手マルチェッラ・レアーレ(Marcella Reale)が新型コロナウイルスに感染し、17日に亡くなった。84歳だった。世界各地の著名な歌劇場で活躍、オペラの黄金期に欧米だけでなく、南米、オーストラリアでも歌った。1994年から2017年に米国に戻るまで日本に定住し、新国立劇場のコーディネーターを務めるかたわら、さまざまな音楽大学で指導に当たった。
ニューヨークのブルックリン生まれ。両親はイタリア人で、フルブライト奨学金でミュンヘン音楽大学でアルマンド・トカティアン、ロッテ・レーマンに師事した。1957年にハイデルベルク州立劇場でオペラ界にデビュー。1961年にトリエステのヴェルディ劇場にデビューしてから国際的な活躍を始めた。
1970年に「黄金のプッチーニ賞」を米国人として初めて受賞するなど、プッチーニやヴェリズモ・オペラを得意とし、中でも蝶々夫人とトスカは300回以上歌っている。長いキャリアの中で、マリオ・デル・モナコ、フランコ・コレッリ、プラシド・ドミンゴ、ホセ・カレーラス、ティト・ゴッビ、アルフレド・クラウス、ジョン・ビッカースらと共演。1991年には「マリオ・デル・モナコ賞」を受賞している。
写真:Seattle Opera
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