ニューヨーク発 〓 エマーソン弦楽四重奏団が2023年夏の解散を発表

2021/08/27

エマーソン弦楽四重奏団(Emerson String Quartet)が2023年夏で解散することを発表した。曲目によって第一ヴァイオリンと第二ヴァイオリンが交代、チェロ以外の3名が立奏する独自のスタイルを長く展開、ニューヨークを拠点に世界最高峰の弦楽四重奏団として室内楽の世界を長くリードしてきた。

結成はアメリカ合衆国建国200年だった1976年。ジュリアード音楽院で知り合った4人、ヴァイオリンのユージーン・ドラッカー、フィリップ・セッツァー、ヴィオラのグィルエルモ・フィグエロン、チェロのエリック・ウィルソンがアメリカの哲学者で詩人のラルフ・ウォールド・エマーソンの名を戴いて活動をスタートさせた。

翌1977年にヴィオラがローレンス・ダットン、1979年にチェロがデイヴィッド・フィンケルに交代。その後は、2013年にチェロがポール・ワトキンスに変わるまでメンバーの交代が少ないことでも知られる。

古典から現代物まで幅広いレパートリーを誇り、陰影に富んだ表現で多くの聴衆を魅了。ニューヨーク、ロンドン、ウィーンを結んで行われたベートーヴェン、バルトーク、ショスタコーヴィッチの弦楽四重奏曲全曲演奏など旺盛な活動を展開して多くの金字塔を打ち立てた。

録音にも積極的に取り組み、ドイツ・グラモフォン、Sony Classicalに30タイトルを超えるアルバムを録音、「ベスト・クラシカル・アルバム」を含めてグラミー賞9回、グラモフォン賞3回授賞。また、エイヴリー・フィッシャー賞を室内楽の団体としては初めての受賞している。

また、若い演奏家を育てることにも熱心で、ニューヨーク州立大学ストニーブルック校ではレジデント・カルテットを務めて多くの学生を音楽界に送り出し、カーネギー・ホールでも教育プログラム「ワイル・ミュージック・インスティテュート」で指導に当たっていた。

写真:Emerson String Quartet / Strijkkwartet Biënnale / Ben Bonouvrier


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