オペラ界の巨人プラシド・ドミンゴ(Plácido Domingo)によるセクハラを告発する女性9人の証言をAP通信が報道、音楽業界が騒然となっている。13日に報じられたもので、証言しているのはオペラ歌手8人とダンサー1人。9人のうちワシントン・オペラで活躍したメゾ・ソプラノ、パトリシア・ウルフ(Patricia Wulf)は実名で告発している。9人の証言に加え、オペラ界で「公然の秘密」だったとするスタッフら三十数人の目撃証言なども伝えている。
APの報道によると、告発はいずれもドミンゴがワシントン・オペラの芸術監督、ロサンゼルス・オペラの芸術コンサルタントを務めていた1980〜1990年代の行為に対して。公演に出演した際、キスを強要されたり、助言を口実にホテルの部屋などに執拗に呼び出されたりしたという。周囲からドミンゴと二人きりにならないよう警告されていたことも証言。自らのキャリアに影響することを恐れ、これまで黙っていたという。
今回の告発に対してドミンゴも声明を出し、「誰かを苦しめたと聞くのはつらい」としながら「私を知っている、または私と一緒に仕事をしたことがある人は、私が故意に誰かを傷つけたり、怒らせたりする人間ではないと解っている」と反論。「私たちが今日に対して測定されるべきルールと標準は、過去とは大きく異なることを認識しています」としている。
ドミンゴは今年、78歳。2009年にテノールからバリトンに路線転換。この夏も大活躍で、8月4日にヴェローナ音楽祭で、音楽祭デビュー50周年記念コンサートを開いている他、ザルツブルク音楽祭の《ルイザ・ミラー》に出演。9月18日にフィラデルフィア管弦楽団のオープニング・コンサートに出演し、9月25日にはニューヨークのメトロポリタン歌劇場《マクベス》に出演する。
写真:Plácido Domingo
ワシントン発 〓 女性9人がドミンゴのセクハラを告発
2019/08/13
【最終更新日】2019/08/14
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