シカゴ発 〓 シカゴ交響楽団の楽団員がストライキに突入

2019/03/11

シカゴ交響楽団(Chicago Symphony Orchestra)の楽団員が月曜日11日朝からストライキに突入した。11ヵ月にわたる新しい労働協約締結交渉が合意に至らず、それまでの労働協約が10日で切れたため。楽団員は毎日、午前8時からオーケストラ・ホールのドア前にピケ・ラインを張るという。ストが行われるのは2012年以来。新しい労働協約を締結する交渉をめぐっては、音楽監督を務めるリッカルド・ムーティが経営側に善処を求める公開書簡を送るという事態に発展していた。

争点の中心は、給与のアップ額と年金システムの変更をめぐって。経営側は、年金をめぐっては、音楽家の年金を確定給付制度から直接拠出型制度に移行すると提案。給与については、年間基本給を3シーズンかけて5%アップさせて167,094ドル(約1,858万円)にすると表明していた。また、医療保障をめぐっては、負担額のアップなしに現行の補償を維持するとしている。これに対し組合側は、年金制度の変更自体に反対。給与のアップ額についても、「同等レベルの楽団よりも低く、差が開くばかり」と強く反発、合意に至らなかった。

写真:写真:Chicago Tribune / Antonio Perez


関連記事

  1. 上海発 〓 指揮者のロン・ユイと上海交響楽団がドイツ・グラモフォンと専属契約

  2. パリ発 〓 サウジアラビアの国立オペラ創設をフランスが支援

  3. ロサンゼルス発 〓 ドゥダメルがロサンゼルス・フィルとの契約を延長

  4. ザルツブルク音楽祭 〓 話題作《サロメ》を29日未明にストリーミング配信

  5. ロンドン発 〓 サントリーホールの30周年記念委嘱作品に音楽賞

  6. ザルツブルク発 〓 ゲルギエフが《シモン・ボッカネグラ》を指揮して現場復帰

  7. モスクワ発 〓 ボリショイ劇場博物館が創立100周年の記念展示

  8. ロサンゼルス発 〓 ドミンゴのセクハラ疑惑に対応二分

  9. モントルー・ヴヴェイ9月音楽祭 〓 アルゲリッチがデュトワに助け船

  10. 訃報 〓 ジョージ・ナイクルグ(100)米国のチェロ奏者

  11. セイジ・オザワ松本フェスティバル 〓 小澤征爾が指揮予定の3公演を降板

  12. 金沢発 〓 オーケストラ・アンサンブル金沢の新しい音楽監督にミンコフスキ

  13. ザルツブルク音楽祭 〓 2018年の夏の音楽祭のプログラムを発表

  14. ベルリン発 〓 ベルリン州立歌劇場が2019/2020シーズンの公演ラインナップを発表

  15. モスクワ発 〓 人気ソプラノのアイーダ・ガリフッリーナが料理本を出版

    • 中島庸之助

    かつての名門 Fritz Reiner率いる名門楽団がそんなことになってついぞ来日公演を
    終えたばかりなのに残念至極ですね。なんとかニューヨークso の二の前にならないよう
    丸く収まって欲しいものです。かつての名門の指揮者が泣いてしまうではありませんか?

  1. この記事へのトラックバックはありません。