ザルツブルク音楽祭 〓 2019年夏の音楽祭のプログラムを発表

2018/11/15
【最終更新日】2019/10/31

2019年夏のザルツブルク音楽祭のスケジュールが発表された。それによると、2019年も例年通りに7月20日に開幕、8月31日に幕を閉じる。43日間の期間中、16の会場で199の公演が行われる。注目を集めるオペラの新作は5作品で、モーツァルト《イドメネオ》、ケルビーニ《メデア》、エネスク《エディプス王》、オッフェンバック《天国と地獄》、ヴェルディ《シモン・ボッカネグラ》。再演はヘンデル《アルチーナ》、リヒャルト・シュトラウス《サロメ》。また、コンサート形式で、チレア《アドリアーナ・ルクヴルール》、ヴェルディ《ルイザ・ミラー》が上演される。演出のバリー・コスキーに加え、指揮者のエンリケ・マッツォーラ、ジェームズ・コンロンがオペラ公演で音楽祭デビューする。

一方、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団のコンサートは5公演。指揮者はリッカルド・ムーティ、ヘルベルト・ブロムシュテット、ダニエル・バレンボイム、フランツ・ウェルザー=メスト、ベルナルト・ハイティンクの5人。ムーティはヴェルディのレクイエム、ブロムシュテットはマーラーの交響曲第9番を指揮する。バレンボイムもマーラーのプログラムで、《亡き子をしのぶ歌》と交響曲第5番の組み合わせ。ウェルザー=メストはワーグナー、リヒャルト・シュトラウスにショスタコーヴィチの交響曲第14番というプログラム。ショスタコーヴィチはアスミク・グリゴリアン、マティアス・ゲルネがソリストに起用される。ハイティンクはマレイ・ペライアとベートーヴェンのピアノ協奏曲第4番、ブルックナーの交響曲第7番という組み合わせのプログラムを指揮する。

また、客演するオーケストラの顔ぶれも例年通り豪華。クルレンツィス率いる南西ドイツ放送交響楽団、バレンボイム率いるウェスト=イースタン・ディヴァン管弦楽団、マリス・ヤンソンス率いるバイエルン放送交響楽団、キリル・ペトレンコ率いるベルリン・フィルハーモニー管弦楽団、アンドリス・ネルソンズ率いるライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団が顔を揃える。中でも、ウェスト=イースタン・ディヴァン管弦楽団は創立20年を迎え、コンサートのソリストには、マルタ・アルゲリッチとアンネ=ゾフィー・ムターとの共演が実現する。リサイタルなどのアーティストの顔ぶれもまた多彩。クリスティアン・ゲルハーヘル、パトリシア・プティボン、ディアナ・ダムラウ、グリゴリー・ソコロフ、マキシム・ベンゲロフ、エフゲニー・キーシン、マウリツィオ・ポリーニ、内田光子、パトリツィア・コパチンスカヤたちが充実を聴かせる。


…… オペラ・新作

モーツァルト《イドメネオ》フェルゼンライトシューレ
出演:ラッセル・トーマス = Idomeneo / ポーラ・マリヒー = Idamante / イン・ファン = Ilia / ニコール・シュヴァリエ = Elettra / ジョナサン・レマル = Nettuno
演出:ピーター・セラーズ
指揮:テオドール・クルレンツィス
管弦楽:フライブルク・バロック管弦楽団
合唱:ムジカエテルナ合唱団

ケルビーニ《メデア》祝祭大劇場
出演:ソーニャ・ヨンチェヴァ = Médée / パヴェル・チェルノフ = Jason / ヴィタリー・コワリョフ = Créon / ローザ・フェオーラ = Dircé / アリサ・コロソヴァ = Néris
演出:サイモン・ストーン
指揮:トーマス・ヘンゲルブロック
管弦楽:ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
合唱:ウィーン国立歌劇場合唱団

エネスコ《エディプス王》フェルゼンライトシューレ
出演:クリストファー・モルトマン = Œdipe / ジョン・トムリンソン = Tirésias / ブライアン・マリガン = Créon / ビンセント・オルドノー = Le Berger / デイヴィッド・シュテフェンス = Le Grand Prêtre / ゴードン・ビトナー = Phorbas / ティルマン・レンネベック = Le Veilleur / ボリス・ピンハソヴィチ = Thésée
演出:アヒム・フライヤー
指揮:インゴ・メッツマッハー
管弦楽:ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
合唱:ウィーン国立歌劇場合唱団

オッフェンバック《天国と地獄》モーツァルト劇場
出演:キャスリーン・リーウェック = Eurydice / ホエル・プリエト = Orphée / マルセル・ビークマン = Aristée / マルティン・ヴィンクラー = Jupiter / マックス・ホップ = John Styx / アンネ・ソフィー・フォン・オッター = L’Opinion publique / ペーター・レンツ = Mercure / ヴァシリーサ・ベルザンスカヤ = Diane / フランシス・パパス = Junon / レア・デサンドレ = Vénus / ナディーネ・ヴァイスマン = Cupidon
演出:バリー・コスキー
指揮:エンリケ・マッツォーラ
管弦楽:ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
合唱:ベルリン・ヴォーカルコンソート

ヴェルディ《シモン・ボッカネグラ》祝祭大劇場
出演:ルカ・サルシ = Simon Boccanegra / マリナ・レベカ = Amelia Grimaldi / ルネ・パーペ = Jacopo Fiesco  / チャールズ・カストロノーヴォ = Gabriele Adorno / アンドレ・エイブーア =  Paolo Albiani  / アントニオ・ディ・マッテオ = Pietro
演出:アンドレアス・クリーゲンブルク
指揮:ワレリー・ゲルギエフ
管弦楽:ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
合唱:ウィーン国立歌劇場合唱団

…… オペラ・再演

ヘンデル《アルチーナ》モーツァルト劇場
出演:チェチーリア・バルトリ = Alcina / サンドリーヌ・ピオー = Morgana / クリスティナ・ハマーストレム = Bradamante / クリストフ・シュトレール = Oronte / アラステア・マイルズ = Melisso / フィリップ・ジャルスキー = Ruggiero
演出:ダミアーノ・ミキエレット
指揮:ジャンルカ・カプアーノ
管弦楽:モナコ公の音楽家たち
合唱:ザルツブルク・バッハ合唱団

リヒャルト・シュトラウス《サロメ》フェルゼンライトシューレ
出演:アスミク・グリゴリアン = Salome / ジョン・ダザック = ヘロデ
演出:ロメオ・カステルッチ
指揮:フランツ・ウェルザー=メスト
管弦楽:ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

…… オペラ・コンサート形式

チレア《アドリアーナ・ルクヴルール》祝祭大劇場
出演:アンナ・ネトレプコ = Adriana Lecouvreur / ユシフ・エイヴァゾフ = Earl of Saxony Maurizio / アニタ・ラチヴェリシュヴィリ = Princess of Bouillon / ニコラ・アライモ = Michonnet / ミカ・カレス = Il principe di Bouillon / アンドレア・ジョヴァンニーニ = L’abate di Chazeuil
指揮:マルコ・アルミリアート
管弦楽:モーツァルテウム管弦楽団
合唱:ウィーン・フィルハーモニー合唱団

ヴェルディ《ルイザ・ミラー》祝祭大劇場
出演:プラシド・ドミンゴ = Miller / ピョートル・ベチャワ = Rodolfo / ニーノ・マチャイゼ = Luisa / ロベルト・タリアヴィーニ = Conte di Walter / テレサ・レルヴォリーノ = Federica / ジョン・レリエ = worm
指揮:ジェームズ・コンロン
管弦楽:モーツァルテウム管弦楽団
合唱:ウィーン・フィルハーモニー合唱団

写真:Salzburger Festspiele


    もっと詳しく ▷


関連記事

  1. 訃報 〓 ハンスゲオルグ・シュマイザー(63)オーストリアのフルート奏者

  2. ウィーン発 〓 ソプラノ歌手のリンダ・ワトソンに「宮廷歌手」の称号

  3. ウィーン発 〓 国立歌劇場が新シーズン、2022/2023シーズンの公演ラインナップを発表

  4. ウィーン発 〓 2020年の「ニューイヤー・コンサート」のプログラム発表

  5. グラフェネック発 〓 小澤征爾がオーストリア音楽劇場賞の特別賞「国際文化貢献賞」を受賞

  6. ウィーン発 〓 国立歌劇場、2月第1週のストリーミング配信のラインナップを発表

  7. ウィーン発 〓 来年1月の《ナブッコ》で、ドミンゴが国立歌劇場にお別れ

  8. ウィーン発 〓 ソニーが「ニューイヤー・コンサート」2020のネット配信を開始

  9. ウィーン発 〓 ウィーン・フィルが2024年の「ニューイヤー・コンサート」のプログラムを発表

  10. 訃報 〓 ワルター・バリリ(100)オーストリア出身のヴァイオリニスト, ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の元コンサートマスター

  11. ウィーン発 〓 国立バレエの芸術監督にアレッサンドラ・フェリ

  12. ザルツブルク発 〓 ザルツブルク復活祭音楽祭が過去の公演をストリーミング配信

  13. ウィーン発 〓 国立歌劇場がスター歌手が着用した舞台衣装をネット・オークションに

  14. ザルツブルク発 〓 夏の音楽祭はプログラムを組み直して開催を模索

  15. ルツェルン音楽祭 〓 2020年の夏の音楽祭の概要を発表

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。