米国のメディアがボルチモア交響楽団の首席オーボエ奏者キャスリーン・ネーデルマン(Katherine Needleman)が14日、米国の平等雇用機会委員会に差別訴訟を起こしたと報じている。彼女はコンサートマスターのジョナサン・カーネイ(Jonathan Carney)からの性的な誘いを拒否したことに対して報復を受けており、彼女の訴えに基づいて行われたオーケストラの調査、処分が不十分としている。
ネーデルマンは1978年の生まれ。フィラデルフィアのカーティス音楽院で学び、2003年の国際リードソサエティーによるジレ=フォックス国際コンクール(Gillet-Fox Competition)に優勝、ボルチモア交響楽団の首席奏者に就任した。
米国での報道によると、2005年の欧州ツアー中、カーネイは午前3時過ぎにネーデルマンの部屋を訪れ、性的な関係を求めたという。彼女がそれを拒否すると、直後から演奏前のチューニング時に邪魔されるなどの嫌がらせが始まったという。カーネイからの嫌がらせについては事件直後から数回、オーケストラにも報告。オーケストラは今年3月、独立した法律事務所に捜査を依頼し、その結果、カーネイに特別な処分はなかった。
カーネイは1963年生まれの、アメリカのヴァイオリニスト。ニューヨークのジュリアード音楽院を卒業後、ロンドンの王立音楽大学で学び、1991年にウラディーミル・アシュケナージの推挙によりロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団のコンサートマスターとなり、並行して1994年から2000年までボーンマス交響楽団のコンサートマスターを務め、2002年にボルティモア交響楽団のコンサートマスターに就任した。
写真:KatherineNeedleman.com
ボルティモア発 〓 ボルティモア交響楽団の首席オーボエ奏者が楽団のセクハラ調査をめぐって提訴
2018/09/19
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