ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の首席クラリネット奏者アンドレアス・オッテンザマー(Andreas Ottensamer)がオーケストラを退団することを自身のSNSへの投稿で明らかにした。在籍14年となるが、2021年から取り組んでいる指揮者としての活動に集中するためという。
オッテンザマーはウィーン生まれの35歳。オーストリア・ハンガリー系で、父親のエルンスト(1955- 2017)は長くウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の首席クラリネット奏者を務め、兄のダニエルは現在、ウィーン・フィルの首席奏者を務める。
4歳でピアノ、10歳になるとウィーン国立音楽演劇大学でチェロを学び、2003年にクラリネットに転身。その間、ピアノ、チェロ、クラリネットで数々のコンクールに入賞。その後、ウィーン国立歌劇場管弦楽団、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団、グスタフ・マーラー・ユーゲント・オーケストラでオーケストラ奏者として活動した。2009年、ハーバード大学在学中にベルリン・フィル・オーケストラ・アカデミーに入学。その後、21歳の若さでベルリン・フィルの首席奏者に就任した。
スター・クラリネット奏者として活躍の一方、室内楽奏者としても、マレイ・ペライアやレイフ・オヴェ・アンスネス、ヨーヨー・マらと共演している他、「アンサンブル・ウィーン=ベルリン」のメンバーとしても活動。また、スイスのビュルゲンシュトック音楽祭の芸術監督をピアニストのホセ・ガヤルドと共に務めている。
2021年のデビュー以来、指揮者としての活動を徐々に拡大。サイモン・ラトル、クリスティアン・ティーレマンらに学び、2023年の春には「東京・春・音楽祭」でリッカルド・ムーティの「イタリア・オペラ指揮アカデミー」に参加。2024年3月にはNHK交響楽団を指揮している。
投稿で本人は「この素晴らしいオーケストラと過ごした過去14年間は信じられないほど素晴らしいものでした。生涯忘れられない経験であり、音楽的なハイライトに満ちたものでした。ベルリン・フィルの音楽性、彼らの独特な音楽の作り方は、私の音楽的DNAの一部となっています。指揮者、そして音楽家として歩むこれからの道でも、それを携えていくことを誇らしく、また楽しみに思います」と語っている。
写真:Orchestre Métropolitain / François Goupil
ベルリン発 〓 クラリネットのアンドレアス・オッテンザマーがベルリン・フィルを退団、指揮活動に集中するため
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2025/01/29
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