訃報 〓 ミゲル・アンヘル・ゴメス・マルティネス(74)スペインの指揮者

2024/08/05

指揮者ミゲル・アンヘル・ゴメス・マルティネス(Miguel Ángel Gómez Martínez)が亡くなった。74歳だった。スペインを代表する指揮者の一人で、若くしてウィーン国立歌劇場の指揮者陣に加わり、フィンランド国立歌劇場やマンハイム国民劇場の音楽総監督、母国でもスペイン放送交響楽団、国立サルスエラ劇場の首席指揮者を歴任している。

グラナダ生まれで、父はグラナダ音楽院の教授、母はピアニストという家庭に育つ。5歳でグラナダ音楽院の試験に合格し、7歳で指揮台に立ち、長じてマドリード音楽院で学んだ。その後、ウィーン音楽・演劇大学でハンス・スワロフスキーから指導を受けた。

在学中の1971年、「ニコライ・マルコ国際指揮者コンクール」に入賞。翌年にルツェルンで指揮者として初舞台を踏み、1973年にはベルリン・ドイツ・オペラで《フィデリオ》を指揮している。その後、1975年にグラナダの国際音楽舞踊祭で母国でもデビューした。

1976年にはウィーン国立歌劇場の首席者陣に加わり、1984年には母国のスペイン放送(RTVE)交響楽団の首席指揮者、マドリードの国立サルスエラ劇場の音楽監督に就任して、スペインを代表する指揮者としての地位を確立した。

その後、マンハイム国民劇場の音楽総監督(1990-1993)、エウスカディ管弦楽団(1889-1993)の首席指揮者、フィンランド国立オペラの芸術監督兼音楽監督(1993ー1996)、バレンシア管弦楽団(1997-2004)の首席指揮者、ベルン市立劇場の音楽総監督(2000ー2004)を歴任した。

抜群の記憶力の持ち主として知られ、作曲家としても活躍。1972年の組曲《ブルレスカ》やアメリカ大陸発見500周年記念に作曲された1992年の《発見の交響楽》をはじめ、妻アレッサンドラに捧げたバリトンとオーケストラのための作品《恋人からの手紙》、オペラ《アタラー》の他、ヴァイオリン協奏曲などがある。

写真:Festival de Granada / Fermín Rodríguez





関連記事

  1. 訃報 〓 ジョディー・デヴォス(35)ベルギーのソプラノ歌手

  2. 訃報 〓 カイヤ・サーリアホ(70)フィンランドの作曲家

  3. バルセロナ発 〓 スペインのカダケス管が活動を停止

  4. 訃報 〓 ルート・ヘッセ(87)ドイツのメゾ・ソプラノ歌手

  5. 訃報 〓 ジョエル・クロスニック(84)米国のチェロ奏者、ジュリアード弦楽四重奏団3代目奏者

  6. 訃報 〓 アリベルト・ライマン(88)ドイツの作曲家

  7. 訃報 〓 ドイツのホルン奏者(89)ヘルマン・バウマン

  8. マドリッド発 〓 テアトロ・レアルが新制作のプッチーニ《トスカ》をストリーミング配信

  9. 訃報 〓 エバハルト・ヴァンゲマン(104)ドイツのヴァイオリニスト

  10. 訃報 〓 アルトゥール・モレイラ・リマ(84)ブラジルのピアニスト

  11. 訃報 〓 スチュアート・バロウズ(92)英国のテノール歌手

  12. グラナダ発 〓 国際音楽舞踏祭の開催の最終判断は5月20日に

  13. バレンシア発 〓 ビオンディがソフィア王妃芸術宮殿の音楽監督を辞任

  14. 訃報 〓 シグリード・ケール(95)Sigrid Kehl

  15. 訃報 〓 湯浅譲二(94)日本の作曲家

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。