スロヴェニア出身のヴァイオリニスト、イゴール・オジム(Igor Ozim)が3月23日、オーストリアのザルツブルクで亡くなった。92歳だった。演奏家としての活動のかたわら、指導者として知られ、その門下から多くの才能を送り出している。また、国際的なコンクールの審査員を務めた。
首都リュブリャナの生まれで、両親がピアノ、兄がヴァイオリンを演奏する音楽一家で育ち、5歳からリュブリャナの音楽アカデミーで学び、1949年からブリティッシュ・カウンシルの奨学金を得てイギリスに留学、王立音楽大学でアルバート・サモンズの指導を受けた。その後、名ヴァイオリニストのマックス・ロスタルに2年間師事した。
その後、1951年の「カール・フレッシュ国際ヴァイオリン・コンクール」で優勝、その直後にロンドンもウィグモア・ホールでデビュー・リサイタルを行っている。その後、1953年には、「ミュンヘン国際音楽コンクール=Internationaler Musikwettbewerb der ARD」で優勝。ソリストとして国際的な活躍をスタートさせた。
モーツァルトのピアノ三重奏曲やシューベルトの室内楽曲などの録音がある他、同郷のスラヴコ・オステルチ、ルシヤン・マリヤ・シュケルヤンチ、イヴォ・ペトリッチ、ヤネス・マティチッチ、ウロシュ・クレクのヴァイオリン協奏曲も多い。
その後、指導者としての活動も展開。ケルン音楽大学、ベルン芸術大学の教授を経て、ザルツブルクに拠点を移し、モーツァルテウム音楽院の教授を長く続けた。教え子にはパトリツィア・コパチンスカヤ、リチャード・トネッティら多数。モーツァルトのヴァイオリン協奏曲などのエディションも制作している。
写真:Patricia Kopatchinskaja
訃報 〓 イゴール・オジム(92)スロヴェニア出身のヴァイオリニスト
2024/03/25
- コメント: 0
この記事へのコメントはありません。