ストックホルム発 〓 エサ=ペッカ・サロネンが2024年の「ポーラー音楽賞」を受賞

2024/03/13

2024年の「ポーラー音楽賞=Polar Music Prize」がフィンランドの指揮者で作曲家のエサ=ペッカ・サロネンと、米国の音楽プロデューサー・ミュージシャンのナイル・ロジャースに授与されることが決まった。授賞式は5月21日にストックホルムで行われる。音楽界のノーベル賞とされ、100万スウェーデンクローナ(約1,440万7,769円)が授与される。

音楽賞は1989年、スウェーデンの人気グループ「ABBA」のマネージャー、作詞家を務め、音楽出版社を経営するスティグ・アンダーソン(Stig Anderson)によって設立された。スウェーデン王立音楽アカデミーが賞を管理し、審査員を任命。1992年から毎年、クラシック・アーティストとポップスのミュージシャンに授与されている。クラシック音楽分野では昨年、作曲家のアルヴォ・ペルトが受賞している。

サロネンはヘルシンキ生まれの65歳。シベリウス音楽院で、ホルンと作曲を学び、同級生の作曲家マグヌス・リンドベルイやカイヤ・サーリアホと実験音楽合奏団「トイミー」を結成。その後、フランコ・ドナトーニとニコロ・カスティリオーニのもとで研鑽を積み、作曲家としての活動をスタートさせた。

指揮活動をスタートさせたのは1983年、急きょマイケル・ティルソン・トーマスの代役としてロンドンのフィルハーモニア管弦楽団の指揮台に立ったのがきっかけ。以後、スウェーデン放送交響楽団の首席指揮者、ロサンジェルス・フィルハーモニー管弦楽団の音楽監督、フィルハーモニア管の首席指揮者を歴任。2020/2021シーズンからはサンフランシスコ交響楽団の第12代音楽監督を務めている。

選考委員会は受賞理由を「サロネンの芸術的好奇心、創造性、作曲と指揮に対する先進的なアプローチは、クラシック音楽への新しい道を開くものである。彼は音色の達人であり、音と感情のバランスを完璧にとり、聴く人の心に深く響く音楽を生み出している」としている。

写真:Chicago Symphony Orchestra / Todd Rosenberg


関連記事

  1. ウィーン発 〓 国立歌劇場の舞踏会「オーパンバル」、3年ぶりに開催へ

  2. サンフランシスコ発 〓 サンフランシスコ響の新シーズンの開幕公演が合唱団のストでお流れ、サロネンは最後のシーズンの開幕飾れず

  3. ハノーファー発 〓 北ドイツ放送フィルの次期首席指揮者にスタニスラフ・コチャノフスキー

  4. ニューヨーク発 〓 ウクライナ人演奏家集めた「フリーダム・オーケストラ」が欧米をツアー

  5. シカゴ発 〓 リリック・オペラが音楽監督のエンリケ・マッツォーラとの契約を延長

  6. 訃報 〓 リナト・イブラギモヴァ(59)ロシア出身のコントラバス奏者、ロンドン交響楽団の元首席

  7. ハンブルク発 〓 ハンブルク交響楽団がマルタ・アルゲリッチとの公演をライブ配信

  8. ア・コルーニャ発 〓 ガリシア響の次期首席指揮者にロベルト・ゴンサレス=モンハス

  9. ニュルンベルク発 〓 州立劇場が音楽総監督のローランド・ベーアとの契約を延長

  10. ウィーン発 〓 国立歌劇場が新制作の《椿姫》をストリーミング配信

  11. 訃報 〓 佐藤陽子(72)日本のヴァイオリニスト

  12. シカゴ発 〓 ラヴィニア音楽祭が中止を発表

  13. パリ発 〓 パリ国立オペラ、ガルニエ宮に大規模な補修工事

  14. 訃報 〓 ペーター・マスース(74)オランダのトランペット奏者、コンセルトヘボウ管弦楽団の元首席奏者

  15. リヨン発 〓 ソプラノのナタリー・デセイ、2025年をもってクラシック音楽界からの引退を発表

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。