ウィーン発 〓 2023年の「ニューイヤー・コンサート」のプログラム発表、なんと15曲中14曲が初出、少女合唱団の初共演も話題

2022/11/16

ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団(Wiener Philharmoniker)の2023年の元旦に行う「ニューイヤー・コンサート」のプログラムが発表された。2023年の指揮者は、2010年と2013年に次いで3度目の登場となるフランツ・ウェルザー=メスト(Franz Welser-Möst)。

「ニューイヤー・コンサート」は毎年元旦、彼らが本拠地の楽友協会大ホールで行っている恒例行事。シュトラウス一家のワルツやポルカを演奏する“音楽の都からの音楽の年賀状”。ただ、リッカルド・ムーティの指揮で行われた2021年は新型コロナウイルスの世界的流行で、1939年の創設以来初めて無観客で開催されている。

プログラムは以下の通りで、過去に演奏されているのはプログラムの最後を締め括るヨーゼフ・シュトラウスのワルツ《水彩画》のみで、全15曲の中の14曲が初登場となる。また、ヨハン2世とエドゥアルトが2曲ずつなのに、ヨーゼフの作品は8曲あり、ウェルザー=メストが独自色を打ち出している。

一方、ウィーン少年合唱団に加え、ウィーン少女合唱団が初めて参加するのも大きな話題。ヨーゼフ・シュトラウスのポルカ・フランセーズ《上機嫌》に出演する。少女合唱団は2004年の設立で、9歳から15歳までのメンバー25人が在籍している。


…… プログラム

 エドゥアルト・シュトラウス:ポルカ・シュネル《誰と一緒に踊る?》作品251
 ヨーゼフ・シュトラウス:ワルツ《英雄叙事詩》作品87
 ヨハン・シュトラウス2世:オペレッタ《ジプシー男爵》作品422から“カドリール”
 カール・ミヒャエル・ツィーラー:ワルツ《心地よい夜に》作品488
 ヨハン・シュトラウス2世:ポルカ・シュネル《元気にやろう》作品386
 フランツ・フォン・スッペ:オペレッタ《イザベラ》序曲
 ヨーゼフ・シュトラウス:ワルツ《愛の真珠》作品39
 ヨーゼフ・シュトラウス:ポルカ・フランセーズ《アンジェリカ》作品123
 エドゥアルト・シュトラウス:ポルカ・シュネル 《さあ、逃げろ!》作品73
 ヨーゼフ・シュトラウス:ポルカ・フランセーズ《上機嫌》作品281
 ヨーゼフ・シュトラウス:ポルカ・シュネル《永遠に》作品193
 ヨーゼフ・シュトラウス:ワルツ《マヒワ》作品114
 ヨーゼフ・ヘルメスベルガー2世:バレエ《エクセルシオール》からギャロップ付ベル・ポルカ
 ヨーゼフ・シュトラウス:幻想曲《アレグロ・ファンタスティク》
 ヨーゼフ・シュトラウス:ワルツ《水彩画》作品258

写真:Wiener Philharmoniker / Terry Linke


  もっと詳しく ▷


関連記事

  1. ニューヨーク発 〓 ストラディバリウス「ダ・ヴィンチ」、史上2番目の20億円超で落札

  2. モスクワ発 〓 ヴァシリー・ペトレンコがスヴェトラーノフ記念ロシア国立響の芸術監督に

  3. アントワープ発 〓 香港出身のエリム・チャンがアントワープ響の音楽監督に

  4. 東京発 〓 東京都交響楽団が音楽監督の大野和士との契約を延長

  5. トゥールーズ発 〓 キャピトル劇場が新シーズン、2022/2023シーズンの公演ラインナップを発表

  6. ローマ発 〓 ローマ歌劇場が7月、ガッティ指揮によるオペラの野外上演をシエナ広場で計画

  7. シカゴ発 〓 音楽監督の報酬、全米一位はシカゴ交響楽団のムーティ

  8. 訃報 〓 服部克久(83)日本の作曲家

  9. 訃報 〓 パウル=ハインツ・ディートリヒ(90)ドイツの作曲家

  10. バルセロナ発 〓 アラーニャ、クルザク夫妻がリセウ大劇場の《トスカ》から撤退、理由は「卑猥な演出」

  11. ウィーン発 〓 シェーンブルン宮殿のサマー・ナイト・コンサートを9月に延期、ウィーン・フィル

  12. 訃報 〓 ミハ・ヴァン・ヘッケ(77)ベルギーのダンサー兼振付師

  13. ベルリン発 〓 ドイツは4月19日までの公演をキャンセル、州立歌劇場の音楽祭「フェストターゲ」は中止

  14. モスクワ発 〓 ミハイル・プレトニョフの後任にアレクサンドル・ルディン、ロシア・ナショナル管の音楽監督

  15. ベルリン発 〓 休養していたバレンボイム、ベルリン州立歌劇場の「平和のためのコンサート」で復帰。ウクライナへの連帯を共有

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。