ヴェローナ発 〓 音楽祭のカーテンコールでオーケストラ起立せず、“歌えない、振れない”ドミンゴへの反発広がる

2022/09/07

世界的オペラ歌手、82歳で現役を続けるプラシド・ドミンゴがピンチを迎えている。8月に入って新たなセックス・スキャンダルが噴出したことに加え、8月末のヴェローナ音楽祭(Arena di Verona)での、歌と指揮に批判が集中。ヴェローナ市当局に詫び状を送る事態に発展している。

新たに噴出したセックス・スキャンダルはアルゼンチンが舞台。女性買春を取り仕切っていたギャング団が一斉摘発され、そのギャング団とドミンゴとのやりとりの録音が残っていたことが発覚、その関係について現地メディアが大騒ぎに。

今回はこれに加えて、音楽家としての演奏の内容が問われているだけにより深刻。歌手として登板した25日のガラ・コンサート「ドミンゴ・イン・ヴェルディ・オペラナイト」では《アイーダ》や《ドン・カルロ》、《マクベス》からバリトン歌手のレパートリーを歌ったが、歌い間違いを起こし、最後には声が出なくなって、“マクベスの乾杯”はロマン・ブルデンコが急きょ代役に立った。

翌日は指揮者としてプッチーニ《トゥーランドット》を指揮したが、現地メディアが伝えるオーケストラのメンバーの話では、これがまたリハーサル不足の上に振り間違いを頻発。あまりの指揮ぶりにオーケストラが、カーテンコールでドミンゴに促されても起立を拒否、抗議の姿勢をみせるという前代未聞の終演となった。

さらに翌日になって、オーケストラ・メンバーたちが所属する労働組合が音楽祭の経営陣に対して、音楽祭100周年の2023年にドミンゴによるガラ・コンサートが予定されていることについて再考を求める要望書を提出する騒ぎに発展。ドミンゴと世界的な舞台で数多く競演してきた76歳のカーティア・リッチャレッリがマスコミの取材にドミンゴへの苦言を呈するコメントを発表と、まだ騒ぎは収まっていない。

現地メディアによると、こうしたことを受けてドミンゴは先週末、ヴェローナ市長とアレーナの芸術監督に謝罪の手紙を送付。歌手、また指揮者としての不出来を詫びびつつ、「来年はフェスティバルの100周年になる。私の唯一の願いは、皆さんの並外れた歴史に敬意を表するようなショーを実現することです」と来年の出演を願い出ているという。

写真:Arena di Verona


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