ローマ発 〓 ダニエル・ハーディングがサンタ・チェチーリア国立アカデミー管の音楽監督に、パッパーノの後任

2023/03/07

ローマを本拠地とするサンタ・チェチーリア国立アカデミー管弦楽団(L’Orchestra dell’Accademia Nazionale di Santa Cecilia)が、次期音楽監督に英国の指揮者ダニエル・ハーディング(Daniel Harding)を迎えると発表した。2005年からその任にあり、2023年で退任するアントニオ・パッパーノの後任。

ハーディングの任期は2024年から5年間。ハーディングは2007年からスウェーデン放送交響楽団の音楽監督・芸術監督を務めており、任期満了の2025年で退任するという。

ハーディングはオックスフォード生まれの47歳。音楽高校在学中からサイモン・ラトルのアシスタントを務め、ケンブリッジ大学在学中の1994年にバーミンガム市交響楽団を指揮してプロ・デビュー。その後、クラウディオ・アバドに認められ、1996年にはベルリン・フィルハーモニー管弦楽団にデビュー、また、BBCプロムスにも最年少指揮者として出演した。

これまでブレーメン・ドイツ室内フィルハーモニー管弦楽団(1999-2003)、マーラー室内管弦楽団(2004-)の音楽監督などを歴任。2016年から2019年にかけてパリ管弦楽団の音楽監督も務めたが、「パイロットになるため」と退任、それから旅客機のパイロット試験に挑戦し、実際に2020年からフランスのエールフランスのパイロットとしても活動している。

サンタ・チェチーリア国立アカデミー管弦楽団はシーズンの開幕をオペラのコンサートで飾るという伝統を持っており、プッチーニの没後100年の2024年にハーディングは《トスカ》を指揮するという。老舗レーベル「ドイツ・グラモフォン」は新しいコンビの録音に乗り出すことを明らかにしており、その録音が第1弾となる。

写真:BBC / Chris Christodoulou


  もっと詳しく ▷


関連記事

  1. バレンシア発 〓 バレンシア管弦楽団の次期首席指揮者にアレクサンダー・ リーブライヒ

  2. 東京発 〓 東京交響楽団が先陣切って公演再開へ

  3. 東京発 〓 N響が首席指揮者のファビオ・ルイージとの契約を早くも延長

  4. カトヴィツェ発 〓 マリン・オールソップがポーランド国立放送カトヴィツェ響の芸術監督兼首席指揮者に

  5. ヴェローナ発 〓 記念すべき第100回の音楽祭は新制作の《アイーダ》で開幕、ネトレプコ夫妻が出演

  6. リエージュ発 〓 指揮者のスペランツァ・スカップッチがワロン王立オペラの音楽監督を退任

  7. マドリード発 〓 スペインの国営郵便局がビクトリア・デ・ロス・アンヘレス、アリシア・デ・ラローチャの肖像を使った切手を発売

  8. ブカレスト発 〓 国立歌劇場のスタッフが新型コロナウイルスに感染、当面の公演をキャンセル

  9. ハンブルク発 〓 ハンブルク・バレエ団がマカオ公演をキャンセル

  10. クリスチャンサン発 〓 ジュリアン・ラクリンがノルウェーのクリスチャンサン響の首席指揮者に

  11. 訃報 〓 オスカー・ギリア(85)イタリアのギタリスト

  12. ウィーン発 〓 ソプラノのニーナ・シュテンメが国立歌劇場の名誉会員に

  13. アムステルダム発 〓 オランダ国立オペラが2022年1月の公演をキャンセル

  14. マルティナ・フランカ発 〓 ヴァッレ・ディートリア音楽祭が2025年の公演ラインナップを発表

  15. エーテボリ発 〓 ソプラノのバーバラ・ハンニガンがエーテボリ響の首席客演指揮者を続投

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。