モンテカルロ発 〓 ネトレプコが約2ヵ月ぶりにオペラの舞台に、4回目の声明でロシアでの出演を否定

2022/04/27

モンテカルロ歌劇場の《ルイザ・ミラー》の公演で約2ヵ月ぶりにオペラの舞台に復帰したソプラノ歌手のアンナ・ネトレプコ(Anna Netrebko)が25日、自身のFacebookへの投稿で、ロシアで出演する予定はないとする声明を出した。これまでの報道では、古巣のマリインスキー劇場が5月から7月にかけて行う「白夜の星音楽祭」に出演するとみられていた。声明では、新しいマネージメントについても明らかにしている。

ロシアのウクライナ侵略が始まって以来、ネトレプコが声明を出すのはこれが4度目。3月30日に出した3回目の声明では、それまでのプーチン政権との関係については曖昧だったが、3回目は一歩踏み込み、ウクライナ侵略によって生じた戦争を非難、また、大統領との関係についても否定した。これにロシア側はノボシビルスクの国立オペラ・バレエ劇場が彼女の出演を取り止め、下院議長が「祖国の敵」とネトレプコを非難していた。

今回の《ルイザ・ミラー》は4月24日に初日を向けたプロダクションで、マリア・アグレスタの代役としての起用。カーテンコールでは、ステージ上にウクライナの国旗が写し出され、ネトレプコも他の出演者たちとその下に並んで拍手を浴びた。ロシア側のさらなる反発も予想されるが、まだ動きはない。この後、スカラ座は5月にリサイタルを予定、夏のヴェローナ音楽祭への出演も発表されている。

写真:Forum Opera


関連記事

  1. ベルリン発 〓 ベルリン放送響の首席客演指揮者にカリーナ・カネラキス

  2. 訃報 〓 アンドラーシュ・リゲティ(68)ハンガリーの指揮者

  3. フィレンツェ発 〓 レヴァインが指揮活動に復帰

  4. ニュルンベルグ発 〓 ヨアナ・マルヴィッツが任期満了をもって州立劇場の音楽総監督を退任

  5. プレストン発 〓 ドイツの高級車メーカー「ポルシェ」の支援受け、新しいオーケストラが誕生

  6. ロサンゼルス発 〓 映画『007 ノー・タイム・トゥ・ダイ』の作曲家が降板、後任になんとハンス・ジマー

  7. 訃報 〓 グレアム・ヴィック(67)イギリスの演出家

  8. ヴィースバーデン発 〓 ドイツのヘッセン州政府が4月初めまでの州立劇場閉鎖を発表

  9. パリ発 〓 パリ国立オペラが2021/2022シーズンの公演ラインナップを発表

  10. 訃報 〓 ペーター・シュライアー(84)ドイツのテノール歌手

  11. 訃報 〓 リン・ハレル(76)米国のチェロ奏者

  12. バレンシア発 〓 ビオンディがソフィア王妃芸術宮殿の音楽監督を辞任

  13. モスクワ発 〓 音楽大手「ユニバーサル・ミュージック」がロシアから撤退

  14. ハンブルク発 〓 ハンブルク・バレエ団がマカオ公演をキャンセル

  15. カーディフ発 〓 指揮者のトーマス・ハヌスがウェールズ・ナショナル・オペラとの契約を延長

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。