訃報 〓 ジョーゼフ・カリクシュタイン(75)イスラエルのピアニスト

2022/04/01
【最終更新日】2023/02/06

イスラエルを代表するピアニストの一人、ジョーゼフ・カリクシュタイン(Joseph Kalichstein)が31日、膵臓がん亡くなった。75歳だった。アメリカを代表するピアニストとしての演奏活動のかわたら、ニューヨークのジュリアード音楽院の教授を40年にわたって教授を務めて多くの後進を育てた。

1946年、イスラエルのテルアビブ生まれ。ショール音楽院で学び、ピアノの才能を見出したクラウディオ・アラウによって、1962年からニューヨークのジュリアード音楽院に進み、エドゥアルト・シュトイエルマン、イローナ・ガボシュに師事した。

1967年にカーネギー・ホールでデビュー・リサイタルを開き、有力紙「ニューヨーク・タイムズ」紙上で絶賛され、1968年にはレナード・バーンスタインが指揮するニューヨーク・フィルハーモニー管弦楽団によるテレビ番組の独奏者に起用された。

1969年、ヴァン・クライバーン国際ピアノ・コンクールの前身となったレーヴェントリット国際コンクールで第1位を獲得。その後、アメリカのメジャー・オーケストラはもとより、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団やウィーン・フィルハーモニー管弦楽団といったヨーロッパの長命なオーケストラとの共演を重ねた。

1983年、母校のジュリアード音楽院の教授に就任。1997年、ジョン・F・ケネディ舞台芸術センターから室内楽の芸術顧問とフォータス室内楽コンサートの芸術監督に任命されている。また、この年、当時のジミー・カーター大統領の就任式で共演したヴァイオリニストのハイメ・ラレード、チェリストのシャロン・ロビンソンと共演したことpから、1981年にはカリクシュタイン・ラレード・ロビソン・トリオを結成した。

トリオはベートーベンやシューベルト、ブラームスの三重奏曲全曲、ラヴェルの室内楽全曲、ダロン・ハーゲン、ジョン・コリリアーノ、リチャード・ダニエルプールら現代作曲家がトリオのために作曲した作品など、数多くの録音をリリースしている。

写真:The Observer / Andy Hall





関連記事

  1. ジュネーブ発 〓 第76回「ジュネーブ国際音楽コンクール」のピアノ部門でカナダのケビン・チェンが優勝、日本の五十嵐薫子が3位に

  2. リヨン発 〓 リヨン国立オペラがバレエ団の芸術監督ヨルゴス・ロウコスを解任

  3. ケルン発 〓 ケント・ナガノがコンチェルト・ケルンと《リング》四部作上演に挑戦

  4. クリーブランド発 〓 クリーブランド管のコンサート・マスターにドーバー・カルテットのジョエル・リンク

  5. ストックホルム発 〓 ダニエル・ハーディングがスウェーデン放送交響との契約を延長

  6. ヴィースバーデン発 〓 パトリック・ランゲが任期残してヘッセン州立劇場の音楽総監督を退任、芸術総監督との方向性合わず

  7. フィレンツェ発 〓 フィレンツェ歌劇場の《リゴレット》でレオ・ヌッチが降板、代役にルカ・サルシ

  8. ニューヨーク発 〓 メトロポリタン歌劇場が2020/2021シーズンをキャンセル

  9. ベルリン発 〓 ティーレマンがベルリン州立オペラの音楽総監督に、バレンボイムの後任

  10. ベルリン発 〓 作曲家のジョン・ウィリアムズが指揮者として今度はベルリン・フィルにデビュー

  11. ニューヨーク発 〓 メトロポリタン歌劇場が“Nightly Met Opera Streams”の第8週のラインナップを発表

  12. グラナダ発 〓 パブロ・エラス=カサドが国際音楽舞踏祭の芸術監督を辞任

  13. ウィーン発 〓 2020年の「ニューイヤー・コンサート」のプログラム発表

  14. ウィーン発 〓 ウィーン・フィルが公開書簡でメトロポリタン歌劇場経営陣に苦言

  15. ライプツィヒ発 〓 ブロムシュテットがドイツ連邦共和国功労勲章の星付き大功労十字章を受章

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。