シカゴ交響楽団が新シーズン、2022/2023シーズンの公演ラインナップを発表した。新シーズンはこの7月で81歳を迎え、2010年から音楽監督を務めてきたリッカルド・ムーティ(Riccardo Muti)にとって最後のシーズン。新シーズンには次期音楽監督の候補者が招かれるとみられ、客演指揮者の顔ぶれが注目を集める。
新シーズンの開幕と閉幕はムーティの指揮で、開幕はイェフィム・ブロンフマンを迎えるブラームスのピアノ協奏曲第1番、チャイコフスキーの交響曲第2番《小ロシア》。音楽監督最後のコンサートは、ベートーヴェンの《ミサ・ソレムニス》で、エリン・モーリー、アリサ・コロソヴァ、ジョヴァンニ・サラ、イルダル・アブドラザコフが出演する。
注目される客演指揮者は、クリスティアン・ティーレマン、シャン・ジャン=張弦、エドワード・ガードナー、マンフレート・ホーネック、ダリア・スタセヴスカ、ブラムウェル・トーヴィー、マリン・オールソップ、ラハフ・シャニ、クラウス・マケラ、ヘルベルト・ブロムシュテット、オスモ・ヴァンスカ、トーマス・ウィルキンス、ベルナール・ラバディ、トーマス・アデス、ミッコ・フランク、ファビアン・ガベル、ウラディーミル・ユロフスキ、ジョヴァンニ・アントニーニ、ダーヴィト・アフカム、ヤクブ・フルシャという顔ぶれが顔を揃える。
シカゴ交響楽団の次期音楽監督をめぐる米国の報道では、このうちホーネック、オールソップ、フルシャの名前がこれまで取り沙汰されてきた。新シーズンで、ホーネックはショスタコーヴィチの交響曲第5番他を指揮。オールソップはオーケストラが作曲委嘱したジュリア・ウルフの《彼女の物語》、フルシャはシーズン終盤にマーラーの交響曲第9番を振る。
ただ、今回の発表を受け、新たにティーレマン、ガードナー、シャニ、マケラ、フランク、ユロフスキがレースに加わるという見方も急浮上している。
中でも、米国での指揮が約20年ぶりというティーレマンの客演が注目を集める。シカゴ交響楽団への客演が、彼の米国オーケストラ・デビューだったという縁もある。1993年のことで、クラウス・テンシュテットの代役としてその指揮台に立った。
また、2020年末でバイロイト音楽祭の音楽監督を、2023/2024シーズンをもってシュターツカペレ・ドレスデンの首席指揮者を退任と、これまでに比べて時間が生まれるという状況にある。新シーズンはブルックナーの交響曲第8番を指揮する。
一方、ユロフスキも2010年にシカゴ交響楽団にデビューして好評を博しており、新シーズンでショスタコーヴィチの交響曲第7番を指揮する。現在はバイエルン州立オペラの音楽監督(2021-)、ベルリン放送交響楽団の音楽監督(2017-)を務める。ただ、ロシアのスヴェトラーノフ記念ロシア国立交響楽団の首席指揮者は2020/2021シーズンで退任、少し時間的な余裕が生まれた。
写真:NCPA / Chicago Symphony Orchestra / Todd Rosenberg
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シカゴ発 〓 シカゴ響が「ムーティ最後のシーズン」2022/2023シーズンの公演ラインナップを発表、注目集める客演指揮者
2022/03/30
【最終更新日】2022/07/14
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